STARTOタレント掲載アイドル誌が2誌へ――「WiNK UP」にあったファンのツボを押さえる「これぞ」の企画とカバー力

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サイゾーオンラインより】
 このところ、旧ジャニーズ事務所時代からタレントたちを掲載してきた雑誌に“変化”が訪れ、ネット上のファンからは残念がる声が上がっています。
 この記事では、「アイドル誌」の現状と、その中の1誌「WiNK UP」の魅力について、ライター・太田サトルがつづります
目次
アイドル誌、毎月刊行は5誌から2誌へ
「WiNK UP」休刊の原因は“出版不況”だけじゃない!
休刊の「WiNK UP」、「伝言板」のページの魅力
STARTOタレント掲載のアイドル誌、毎月刊行は5誌から「Myojo」「Duet」の2誌へ
 毎月「7日」と「23日」。この日は、旧ジャニーズ、STARTO ENTERTAINMENT社所属タレントのファンにとって、月2回の特別な日付であり続けたであろう。
 細かな説明は不要かと思うが、毎月この2日はSTARTO社所属タレントのグラビアやインタビューそして連載等が多数掲載される雑誌の発売日である。
 毎月7日は「POTATO」(ワン・パブリッシング)、「Duet」(ホーム社)、「WiNK UP」(ワニブックス)の発売日。そして毎月23日が「Myojo」(集英社)、「ポポロ」(麻布台出版社)の発売日だった。その日を毎月待ち望んだり(現在も?)、それぞれの発売日にどの雑誌を購入するか悩んだうえ、自担または自担グループの写りがいいもの、あるいはピンナップや切り取り型カードなどの付録の良し悪しなどを書店で厳選したり、躊躇なく全誌買ったり、友達と分担したり、いろいろな楽しみ方をした記憶を持つファンも少なくないだろう。
 これらを「ドル誌」「ジャニ誌」と呼んだり、それぞれ「M誌」「W誌」と表記しながら、内容についての感想などをネット掲示板やSNSに書き込み、ファン同士で盛り上がりをみせたこともあった。
 そのうちの1誌、「WiNK UP」が2025年5月7日発売の6月号をもって休刊すると3月25日に発表され、ファンの間に衝撃が走った。
 先に挙げた各雑誌のうち、すでに「ポポロ」が2024年7月売りの9月号で休刊、「POTATO」は判型を変更し、この3月より奇数月22日発売の隔月発売となった。これまでと変わらず毎月刊行が続くのは、「Myojo」と「Duet」の2誌となってしまった。
「WiNK UP」休刊の原因は“出版不況”だけじゃない! 「二重、三重のダメージ」とは?
 「WiNK UP」休刊について、ワニブックスは「昨今の社会状況の変化や価値観の多様化に伴い」と発表している。なんとも寂しくはあるが、これは出版界全体が抱える、紙媒体の終焉、出版不況のあおりそのままである。
 しかし、あくまで推測の範囲だが、そこに加えてやはり一連の性加害報道に端を発する事務所崩壊の影響も考えずにはいられない。タレントは次々と退所し、この一件を機に応援を辞めたファンも少なくない。
 加えて昨年春にKing&Prince、Snow Man、SixTONESが各誌を卒業し、以降は個人での登場となってしまった。事実上「ジャニーズ専門誌」であるこれらの雑誌には、二重、三重のダメージがじわじわ押し寄せ続けてきたのではないだろうか。
 休刊が発表された「WiNK UP」については、“企画力&フレッシュジュニアまでの幅広いカバー力”という印象がある。
 メンバー対談や撮影時の組分けなど、いわゆる「ヲタ得」的な人選をしていたり、各グループが毎号担当する連載ページなども、少しマニアックなイメージがある。ジュニアが登場するページもフレッシュ枠を含め比較的早めに紹介してくれる印象もあり、5誌の中では「ややコア」な雰囲気がある。
6月号で休刊の「WiNK UP」、ファンのツボをおさえた「伝言板」のページの魅力
 中でも群を抜いて独自性が高く、ファンのツボをおさえていると感じる企画が、「伝言板」のページだ。これは、毎回複数のタレントが登場し、特定のメンバーまたはグループ、時には事務所を超えた共演者などに向けた短いメッセージを発信するというもの。
 それが、例えば「◯◯くん、今度ご飯連れていってください!」「久しぶりに会えてうれしかったよ!」「見学のとき、尊敬しすぎて挨拶できませんでした!」などといった「私信」めいた雰囲気を漂わせるところが、仲良いんだ、尊敬してるんだなどファンの「妄想」を膨らませてくれる大きなツールとなり得た。「伝言板」という名の通り、そういったメッセージに対して次の号以降で「いいよ! 何食べたい?」と返事がきたりしつつ、号を重ねながらある種の文通のようなやりとりになっていくのを見守っていくことを毎号の楽しみにしていたファンも多かっただろう。
 時にはいじったり軽くディスったりするやりとり、愛情たっぷりのメッセージに対して“塩対応”というやりとりなども存在するわけだが、そんな様子もまた、それはそれで仲が良いからこそなんだなと、関係性や距離感で妄想することができただろうし、月間単位で繰り広げられるアナログすぎる貴重な企画だった。
 最新号でも、
・King & Prince 高橋海人:(永瀬)廉へ「ドーム公演のときに、廉かオレのどちらか、今までにやったことのない髪色にしてみようよ!」
・なにわ男子 藤原丈一郎:本高(克樹)へ「いらない服があったらください。“お上がり”募集中(真顔)!」
・Snow Man 岩本照:渋谷謙人くんへ「またサウナ行きましょう。」
・ACEes 佐藤龍我:(高橋)恭平くんへ「早くごはんに連れていってください。あと、返信もください。」
 と相変わらず、タレントたちはさまざまなメッセージを発信している。
 さて、そんな4月7日発売の休刊直前号となる最新号の表紙を飾っているのは、グループとしては久しぶりの登場となるSixTONESだ。なによりその裏表紙に驚いた。
 今から約12年半前、12年10月号の表紙に、まだ彼らが正式なグループとして結成される前、当時放送され彼らが出演したドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系)のタイトルからとって「バカレア」組と呼ばれていた時期に、6人で初めて表紙を飾った号の表紙の再現だったのである。
 これだ、このツボこそが「WiNK UP」だ! そこに気づいたときにちょっとグッときた。そして次の瞬間、寂しさに包まれた。
 表表紙の裏面、いわゆる「表2」と呼ばれるページには、「休刊のお知らせ」が掲載されている。
 しかし、5月7日発売の「WiNK UP」最終号も、きっとファンが歓喜する誌面の構成が期待できそうだ。
 6月からは、毎月7日に店頭に並ぶのは1誌のみとなってしまうことになるが――。
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