ヘンリー王子の「歴史的な勝利」声明に冷ややかな声も……英新聞社「プライバシー侵害」裁判で“土壇場”和解 

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 ヘンリー王子が、プライバシーを侵害されたとして訴えていたタブロイド紙「ザ・サン」の発行会社ニューズ・グループ・ニュースペーパーズ(NGN)と和解に達した。NGNが違法行為を認め、謝罪声明を出し、ダイアナ元妃の私生活も侵害したと認めて謝罪したことが、和解に応じた決め手だったと伝えられているが、1000万ポンド(約19億円)を超える莫大な損害賠償金で合意したという情報も流れている。
目次
ヘンリー王子、盗聴や違法な取材めぐり英新聞社と和解
英国王室とNGNが2012年に結んだ「密約」とは?
「ヘンリー王子は彼らを超えるプレデター」
ヘンリー王子に称賛と冷ややかな声
NGNが王子の買収に成功し、口封じをした?
ヘンリー王子、盗聴や違法な取材めぐり英新聞社と電撃和解
 「電話盗聴などの違法行為で得た情報を報道され、プライバシーを侵害された」として、ヒュー・グラントやシエナ・ミラーら数多くの著名人から約1,500件もの訴訟を起こされていた英新聞グループのニューズ・グループ・ニュースペーパーズ(NGN)。
 「正義のために戦う」と表明してきた王子は、現地時間1月21日から開始する10週間にわたって行われる裁判のため一時帰国。この裁判は、王子のほかに英国の元政治家/元労働党副党首のトム・ワトソン氏が原告で、二人がロンドン高裁でどのような証言をするのか注目されていたが、土壇場で和解協議が行われ、審理は延期に。翌22日、和解に達したと発表されたのだ。
 NGNは「『ザ・サン』が1996年から2011年にかけて、私立探偵の違法行為を含む取材によりヘンリー王子の私生活を重大に侵害したことを全面的に謝罪する」「『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』の記者や私立探偵による電話の盗聴、監視、個人情報の悪用に対し、全面的に謝罪する」との書面を提出。
 「王子の亡き母、ダイアナ元妃の私生活をめぐる過剰な報道と深刻なプライバシー侵害が、若かりし王子の心にダメージを与えたことについても謝罪する」とした。
 損害賠償金の額については明かされていないが、8桁以上、つまり1,000万ポンド(約19億円)を超えるという情報が流れており、ヘンリー王子の全面的な勝訴だと大半の欧米メディアは報道。
 英国の民事裁判では、和解金として提示された額が、裁判で認められた額よりも多かった場合、勝訴しても原告が双方の裁判費用を払わなければならない。損害賠償金は王子とトムで分けることになるとみられるが、相当な額をNGNの弁護士に支払うとされ、最終的に王子がいくら受け取るかは定かではない。
英国王室とNGNが2012年に結んだ「密約」とは?
 ヘンリー王子は昨年12月、同じ理由で訴訟を起こしていたタブロイド紙「デイリー・ミラー」の発行会社ミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)に勝訴。
 王子が訴えたプライバシーの侵害のうち15件を裁判長が認め、MGNに対して14万600ポンド(約2800万円)の損害賠償金支払いを命じた。
 ほかにも多くのタブロイド発行会社を相手取り同様の訴訟を起こしてきた王子は、NGNの件で裁判を行うかどうかを決める審理で、「被害に遭ったという時期から時間がたちすぎており、裁判にならない」と主張するNGNに対して、「王室とNGNが2012年に密約を結んでいたため、裁判を起こすことができなかったのだ」と主張。
 密約は、22年に死去したエリザベス女王が「盗聴された内容に関して、裁判所で証言するという事態にならないよう」交わされたもので、ヘンリー王子は「ウィリアム皇太子もNGNを訴えたが、20年に示談金を受け取り和解に応じた」ことや「チャールズ国王は自分が訴訟を起こすことに反対した」などを暴露。
 昨年、ニューヨークで開催された「ニューヨーク・タイムズ」主催のサミットで、王子は「この裁判をやり遂げる最大の理由は、タブロイド各紙に説明責任を果たしてもらうためだ。それを達成できるのは、もはや私しかいない(だから最後まで戦う)」と意気込んでいた。
「ヘンリー王子は彼らを超えるプレデター」
 その結果、今回の裁判でこれまで認めてこなかった違法行為を認めさせ、全面的に謝罪させ、ダイアナ元妃に対する謝罪も得たことは画期的だと多くの人が評価。
 前出のトムは、「NGNはとんでもないプレデター(略奪者・捕食者という意味)だが、ヘンリー王子は彼らを超えるプレデター(見事なハンターという意味)だった」と大絶賛した。
 ヘンリー王子も弁護士を通して、和解は「歴史的な勝利」であり、「プライバシー侵害で強権的に和解させられてきた何百人もの原告の正当性を示すものだ」との声明を発表した。
 「現在明らかになっている真実は、NGNが少なくとも16年間にわたり、3万5,000回以上、100人以上の私立探偵を違法に雇っていたということ」「これは、『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』と同じくらい『ザ・サン』も行ってきたことで、すべての編集者、重役、上層部も知っていたことである」と断言。
 さらに、「2006年に王室担当特派員が逮捕された後、上層部は3,000万件以上の電子メールなどを削除した」などと指摘、「これらの違法行為は今も英国、そして世界中のメディアで行われている」「編集権限を行使し、有害な文化を永続させている」と強い口調で批判した。
 そして、「歴史的な謝罪を引き出すことに成功した」「今日、嘘が自白のもとにさらされ、隠蔽工作が暴露された。法を超越する者など、誰もいないのだということが証明された。責任を負う時が来たのだ」と勝利宣言した。
 王子の弁護士だが、「5年以上前に主張を始めて以来、ヘンリー王子と彼の身内は繰り返し攻撃的で報復的な報道に耐えなければならなかった。これにより、彼と彼の家族の安全に深刻な懸念が生じている」とも訴えた。
ヘンリー王子に称賛と冷ややかな声
 今回の和解について、ネット上では、「示談金を受け取り引き下がったウィリアム皇太子と比べて、違法行為を認めさせ、謝罪させたヘンリー王子は素晴らしい!」「正義の王!」「孝行息子だ。ダイアナ元妃も誇らしいだろう」「彼こそが、ダイアナ元妃の後継者だ」と称賛の嵐が巻き起こっている。
 しかし、その一方、自伝本などで、王室の内情を暴露したヘンリー王子に対して、「王子も暴露本を出して、国王や皇太子のプライバシーを侵害したのにね」「この話が出るたびに、ダイアナ元妃の不倫を思い出してしまう。妃はそんなこと望んでいないのでは」「ヘンリー王子もダイアナ元妃の名前を利用しているんじゃないかと勘繰ってしまう」といった冷ややかな声も出ている。
 今回NGNが支払う損害賠償金は、皇太子に支払った額とは桁違いだという情報に注目し、「最後まで正義のために戦うと公言していたくせに、直前で和解するなんて、結局金なんだね」と批判する声も上がっている。
 皇太子がNGNから受け取った示談金の額は明かされていないが、同時期にヘンリー王子が設立したインビクタス・ゲーム財団に111万ドル(約1億7,000万円)を寄付していることから、示談金は全額寄付したのだろうとみられている。
NGNが王子の買収に成功し、口封じをした?
 英『GBニュース』の司会者は、「王子は勝利などしていない。NGNは10年以上前に廃刊した『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』と私立探偵のせいにして、NGNが自ら違反行為をしたと認めたわけではない」とコメント。
 さらに、「セレブたちは裁判に金がかかりすぎるから無理だと、泣く泣く和解に応じてきた。そんな中、王子は“私が戦うから、心配はいらない”と断言してきた。誰もが、王子が裁判でどんな証言をして、勝利をもぎ取るのか見たいと期待してきた。それなのに1,000万ポンドを提示され、あっさりと和解に応じた」「今回の和解は、NGNが王子の買収に成功し、口封じをしたということだ」との見解を示しており、ネット上で多くの賛同を得ている。
 一方で、ヘンリー王子が、今回手に入れた損害賠償金をどこに寄付するのか早くも注目を集めている。「まだ鎮火してないLA大規模火災の被災者支援に寄付するのでは」「力を入れているインビクタスゲームに寄付するのだろう」「メーガン夫人が携わっているチャリティ団体に寄付するのかも」などと盛り上がっている。
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