中山美穂「急死報道」と大野智「大麻騒動」が示す、芸能事務所のマスコミ言論統制の衰えと余波

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下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
 フリーアナウンサー・司会者の小倉智昭氏が逝去した。15年ほど前になるが仕事の関係で一度お会いしたことがあった。気軽に談笑してくれ、テレビ業界など、その造詣の深さに聞き入ったことを思い出す。最近まで仕事をしていたという小倉氏の冥福を祈りたい。
目次
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
中山美穂急死で驚いたバーニングプロダクションの影響力の衰え
「女性自身」と「週刊女性」の追悼記事には配慮が
嵐・大野智の“大麻騒動”は過去にも
Snow Man・向井康二がBL映画に主演!
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第727回(12/5~12/10発売号より)
1位「中山美穂さん 秘めていた悔悟『今こそ断絶10年息子に赦しを』」(「女性自身」12月24日・31日合併号)
同「中山美穂さん 『どう思われてもいい』自由な生き方の果てに……」(「週刊女性」12月24日号)
2位「大野智悲嘆『大麻で逮捕』デマSNSを許さない」(「女性セブン」12月19日号)
3位「Snow Man 『BLで限界に挑む』世界進出へ仰天色香」(「女性自身」12月24日・31日合併号)
中山美穂急死報道で驚いた、バーニングプロダクションの影響力の衰え
 驚いたし衝撃的だった。中山美穂が急死した。54歳という若さであり、当初SNSなどでは死因を巡り、さまざまなうわさが飛び交った。自殺説や人格を貶めるようなものもあったが、その背景に情報が錯綜したことが大きな要因としてあげられるだろう。
 急死した12月6日、事務所から同日にビルボードライブ大阪で予定されていたライブの中止が発表されたが、その際の理由が中山の「体調不良」だった。しかし実際は、この発表の時には中山は死亡していて、事務所発表直後にマスコミによる死亡報道がなされた。
 バスルームでの死亡、さらには直前まで事務所スタッフと連絡を取っていたという情報、そんないくつかの不確かな情報が錯綜したため、それら情報を受け取った人々が根拠なく勝手に推測し、それをネットなどに流した。
 しかし今回のことでさらに驚いたのは、バーニングプロダクションの情報操作の衰えと芸能界における支配の変遷だ。中山の所属事務所ビッグアップルは強面で知られる芸能界のドン・周防郁雄社長率いるバーニング系の事務所だ。
 これまでも中山の熱愛スキャンダルや、離婚騒動の際にも御用マスコミに情報をリークし、中山に都合のいいストーリー作りに勤しんできた。たとえば2014年の辻仁成との離婚についても“女性のようなロングヘアにするなど外見が大きく変貌”“中性化した”など“辻のキモイ容姿が原因”とさかんにリークされ、報じられた。
 中山に限らずバーニング系(B系)はマスコミへの影響力を駆使し情報操作を繰り返し、そして所属タレントの都合のいい情報、美化するような記事を御用媒体に書かせてきた。そんな情報操作のプロのはずのB系が、今回は情報コントロールどころか、一般人も訝るような不可解な情報を発信したり、そのことで“何か隠しているのでは”と疑惑の目で見られ、それをSNSで発信された。そしてアンダーコントロールに陥った。中山の死の直後の混乱は、こうしたことが一因だったのではないか。
 実際その後、中山の死因が“不慮の事故”だと判明した際の発表文書には、「報道関係者の皆様におかれましては、ご遺族および関係者のプライバシーを尊重し、取材や報道につきまして慎重にご対応いただきますようお願い申し上げます」とあった。
 わざわざ公式サイトで“報道関係者”に訴えなければいけないほど、その影響力が衰えたのかとびっくりしたくらいだ。
「女性自身」と「週刊女性」の追悼記事には配慮が
 それでもって女性週刊誌だ。「女性自身」と「週刊女性」が追悼記事を掲載したが、「自身」では中山が14年の離婚後、一度も息子(現在20歳)に再会することはなかったことを報じている。とはいえ、「“自分のことを恨んでいるかもしれないけれど、もう一度会って赦してもらいたい”という思いを抱いていたのではないでしょうか」という中山の知人の匿名コメントを紹介し、一応の配慮を見せた。
 一方「週女」は離婚後の恋多き中山の恋愛遍歴を紹介しつつ、息子を呼び寄せるために芸能活動に力を入れていたなどと、微妙にバランスを取っていることがうかがわれる。
 しかし既存のマスコミはまだ抑えられるかもしれないが、ネットがこれだけ浸透し、今ではそれだけでは情報統制は難しい時代になった。大手芸能事務所の恣意的な情報統制力や影響は弱まったが、しかし根拠なき玉石混交のネット情報もあふれる――。そんな時代が進んでいる。
嵐・大野智の騒動、ジャニーズ事務所によるマスコミ言論統制の余波
 そして次もSNS絡みだ。11月下旬、嵐の大野智が“大麻取締法違反で逮捕された”との情報がSNSで拡散され、芸能マスコミまでが裏付けに動く騒動に。
 そして「女性セブン」によればSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニ)はこれを事実無根として「悪質な記事やSNSの投稿に対しては法的措置を取る」と宣言したという。これもつくづく“時代の変遷”を実感する事柄だ。
 そもそも大野と大麻に関しては、過去にも“ある騒動”があった。08年8月、「週刊現代」(講談社)が大野智の3Pと大麻吸引疑惑を報じたからだ。しかし大野はこれを否定したため、薬物検査などは行われず。さらに、国民的アイドルの超ド級のスキャンダルにもかかわらず、後追いするスポーツ紙・テレビ局は皆無で、“なかった”ことになっていたのだ。
 もちろんその背景には、当時のジャニーズ事務所の絶大な影響力がある。事務所を支配する“性加害”ジャニー喜多川氏と姉で女帝といわれたメリー喜多川氏がご存命の当時、これを追求するマスコミなどほとんどなかったからだ。
 そして現在――。暴露系インフルエンサーによるこの情報。今のところフェイクニュースとして断じられているが、こうした情報が蒸し返されるのも、過去の週刊誌による疑惑報道を検証することなく、うやむやにして放置して、“なかったことに”してきたツケが現在に回ってきたのではないか。ジャニーズ帝国の言論統制と崩壊の余波でもある。
Snow Man・向井康二がBL映画に主演!
 紅白復活出場が期待されたSnow Manだが、結果は“辞退”に。もっともがっかりしたのは旧ジャニ復活で視聴率アップを狙ったNHKだろうが、そんなNHKの思惑を尻目にSnow Manメンバーは悲願のアジア・世界進出に向け躍動中らしい。そんな中、向井康二が日本タイの共同映画で、内容は“熱いBL作品”の主役に内定! 見たい。
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