SMILE-UP.補償本部長「心の底からお詫びできない」発言に批判集中、『Nスペ』ジャニー喜多川特集が物議
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10月20日、NHKは旧ジャニーズ事務所(現「SMILE-UP.」)創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題に関連した特集番組『NHKスペシャル ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』(以下、『Nスペ』)を放送した。その中で、被害者の補償業務を行っているSMILE-UP.の対応に批判の声が上がっている。
目次
・NHKのジャニー氏特番、視聴者衝撃のシーン
・SMILE-UP.、中谷良氏に補償対応せず
・SMILE-UP.補償本部長、「心の底からお詫びできない」
・視聴者からは「誠実さの欠片もない」の声
NHKのジャニー氏特番、視聴者に衝撃を与えたシーンとは?
昨年9月7日、旧ジャニーズ事務所はジャニー氏の性加害疑惑を受けて、記者会見を実施。同氏の姪である藤島ジュリー景子社長(当時)は、「ジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております」と認めた。
そして同社は10月17日付でSMILE-UP.へと名を変え、被害者の補償と救済に専念する会社に移行。ジュリー氏は辞任し、現在は東山紀之(23年末に芸能界を引退)が社長を務めている。タレントとのマネジメント契約は新会社・STARTO ENTERTAINMENTの業務となり、今年4月10日に本格始動した。
「『ジャニーズ事務所』の名前が消えてから1年が経過した中、今回の『Nスペ』はジャニー氏とその姉・メリー喜多川氏の友人だった女性の証言などをもとに、ベールに包まれてきた弟姉の生い立ちや過去を紹介。性加害問題について踏み込みながら、元ジャニーズ事務所社員、元テレビ東京の社員で、現在は桜美林大学教授の田淵俊彦氏らが、かつての事務所の異常な体制を指摘していました」(男性アイドルに詳しい記者)
また、番組取材班は元NHKの理事で、現在はSTARTO ENTERTAINMENTの顧問を務める若泉久朗氏を直撃。NHKサイドの気合が伝わる内容となっていた。
そんな中、視聴者に最も衝撃を与えたのは、SMILE-UP.の担当者と被害者家族が電話で会話をしたシーンだ。
被害者家族として登場したのは、事務所初の所属グループ「ジャニーズ」のメンバーだった中谷良氏(2021年に死去)の姉・幸子さん。なお、中谷氏は1989年に出版した著書『ジャニーズの逆襲』(データハウス社)の中で、ジャニー氏による性加害を告発している。
『Nスペ』の取材に応じた幸子さんは、「(弟が)死んで丸3年がきました。どんな思いでこの世の旅立ちがあったのか、すごく悔しい思いとか……それを訴えて、聞いてもらえたらいいかなと思って」と吐露。
当時、弟が出した“暴露本”の暗い印象を与える表紙に嫌悪感を抱いた幸子さんは、中身を読んでいなかったという。「読ませてもらって初めてわかった。それもつい最近。ジャニーズの問題が出て初めて読ませてもらって……」とも打ち明けていた。
「そんなお金出せるか」SMILE-UP.、“暴露本”出版の中谷良氏に補償対応せず
そして、幸子さんは事務所側に謝罪を求め、弟の代わりにSMILE-UP.へ補償の申告を行ったという。「少しでも、良ちゃんの犠牲の上でのこれだけ補償をいただいたよっていうのを渡したいなと。私しかできない。この訴えは」と、胸中を述べていた。
幸子さんの話によれば、SMILE-UP.に申告後、最初に電話がかかってきた際は「ジャニーが悪いんです」「ジャニーが悪いですので、受付させていただきます」と答えていたとか。
ただその後、あらためて電話があり、「実は、会社の中でジャニーズを反抗するような本を出している人に『そんなお金なんか出せるか』『金取る気か』っていう話になった」ために、補償対応はしてもらえたかったそう。
幸子さんは、悲痛な表情を浮かべながら、「結局、『ジャニーが悪いです』って言いもって、何も悪いということを、一つも思っていらっしゃらないんだなって、つくづく思いました」と語った。
なお、NHKの取材に対し、SMILE-UP.側は「いわゆる『暴露本』を出版したことをもって補償対象としないという方針は有していない」と回答したという。
SMILE-UP.補償本部長、「会社として痛めつけられた」「心の底からお詫びできない」と主張
番組終盤では幸子さんが同社の「補償本部・本部長」(番組テロップより)とやりと取りする場面を公開。
幸子さんが「ちょっとお尋ねしたいと思いましてね。どういう謝り方、お金はいいんですよ。謝り方をしていただけるのかなと思って」と切り出すと、電話口の担当者は「すいません、簡単に答えられなくて……」と言葉に詰まった。
とはいえ、「ただ、誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今、わからなくて。その本人たちが死んじゃってるんで。被害者の方々に東山が会う時は、謝罪をしているんですけど」「(幸子さんが)おっしゃっていることはわかるけど、本を書かれて(会社側が)痛めつけられたのは間違いないんで。会社としては、すごくつらい目にあったのは間違いないんで」とも主張。
幸子さんが「そんな影響ありましたか? 弟の本で」と食い下がると、「僕ね、その時期のことは知らないんで。そこで『謝罪はない』と言われたら、うーん……じゃあ謝罪すればいいのかな……としか今、ちょっと思えなくて」「謝罪する相手は本人なんですよ」と述べた。
そして、「(良氏の)お墓行って、お参りしてくれる?」という幸子さんの提案には「それは東山がするの?」と“タメ口”で反応し、幸子さんが「そりゃそうでしょ。だって、当たり前のことじゃない。だって(当事者のジャニー氏は)亡くなっちゃったんだから」とややヒートアップすれば、「いや、なんで東山がしなきゃいけないのか、ちょっと僕わかんないんですよ。『メリーが謝れ』『ジャニーが謝れ』だったらわかるけど」と、開き直ったような口ぶりに。
さらには「東山は別に、加害者じゃないですからね。心の底からお詫びができないので、今の話を聞いてると」「ちょっと僕は納得いってないですね。だから、それも含めて、ちょっと東山と相談してみますけど」と述べていた。
なお、番組ナレーションによると、最終的に東山社長は幸子さんと面会し、ジャニー氏の性加害について謝罪したという。
SMILE-UP.のぞんざいな応対に、視聴者から「誠実さの欠片もない」厳しい声
オンエアを見たネット上の視聴者の間では、こうした補償本部長の応対に批判が集中。
「ひどすぎる。誠実さの欠片もないし、非常識。これでは、被害者が被害を訴える前に心を折られると思う」「ジャニーズの体質と本音が全部出てた」「『心の底からお詫びできません』って、被害者の家族に直接言うのはヤバすぎ。引いた」という声や、「加害者ではない東山さんが謝る必要はないっていうのはわかるけど、社長にはその責任がある。この社員はそれをわかってないの?」との指摘も寄せられた。
また、被害者やその家族へのあまりにもぞんさいな応対には、「最初から喧嘩腰でいくように、NHKが本部長へ演出をしたとしか思えなかった」「補償本部の本部長って本物? あんな受け応えをする人が窓口なの?」「仕込みや、やらせの人じゃないってどう証明するの?」などと、事実とは思えないとする声も上がっていたほどだ。
22日正午時時点で、SMILE-UP.側は公式サイトなどで『Nスペ』の放送に触れていない。番組内容が物議を醸している中、同社はこのまま沈黙を貫くのだろうか?
目次
・NHKのジャニー氏特番、視聴者衝撃のシーン
・SMILE-UP.、中谷良氏に補償対応せず
・SMILE-UP.補償本部長、「心の底からお詫びできない」
・視聴者からは「誠実さの欠片もない」の声
NHKのジャニー氏特番、視聴者に衝撃を与えたシーンとは?
昨年9月7日、旧ジャニーズ事務所はジャニー氏の性加害疑惑を受けて、記者会見を実施。同氏の姪である藤島ジュリー景子社長(当時)は、「ジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております」と認めた。
そして同社は10月17日付でSMILE-UP.へと名を変え、被害者の補償と救済に専念する会社に移行。ジュリー氏は辞任し、現在は東山紀之(23年末に芸能界を引退)が社長を務めている。タレントとのマネジメント契約は新会社・STARTO ENTERTAINMENTの業務となり、今年4月10日に本格始動した。
「『ジャニーズ事務所』の名前が消えてから1年が経過した中、今回の『Nスペ』はジャニー氏とその姉・メリー喜多川氏の友人だった女性の証言などをもとに、ベールに包まれてきた弟姉の生い立ちや過去を紹介。性加害問題について踏み込みながら、元ジャニーズ事務所社員、元テレビ東京の社員で、現在は桜美林大学教授の田淵俊彦氏らが、かつての事務所の異常な体制を指摘していました」(男性アイドルに詳しい記者)
また、番組取材班は元NHKの理事で、現在はSTARTO ENTERTAINMENTの顧問を務める若泉久朗氏を直撃。NHKサイドの気合が伝わる内容となっていた。
そんな中、視聴者に最も衝撃を与えたのは、SMILE-UP.の担当者と被害者家族が電話で会話をしたシーンだ。
被害者家族として登場したのは、事務所初の所属グループ「ジャニーズ」のメンバーだった中谷良氏(2021年に死去)の姉・幸子さん。なお、中谷氏は1989年に出版した著書『ジャニーズの逆襲』(データハウス社)の中で、ジャニー氏による性加害を告発している。
『Nスペ』の取材に応じた幸子さんは、「(弟が)死んで丸3年がきました。どんな思いでこの世の旅立ちがあったのか、すごく悔しい思いとか……それを訴えて、聞いてもらえたらいいかなと思って」と吐露。
当時、弟が出した“暴露本”の暗い印象を与える表紙に嫌悪感を抱いた幸子さんは、中身を読んでいなかったという。「読ませてもらって初めてわかった。それもつい最近。ジャニーズの問題が出て初めて読ませてもらって……」とも打ち明けていた。
「そんなお金出せるか」SMILE-UP.、“暴露本”出版の中谷良氏に補償対応せず
そして、幸子さんは事務所側に謝罪を求め、弟の代わりにSMILE-UP.へ補償の申告を行ったという。「少しでも、良ちゃんの犠牲の上でのこれだけ補償をいただいたよっていうのを渡したいなと。私しかできない。この訴えは」と、胸中を述べていた。
幸子さんの話によれば、SMILE-UP.に申告後、最初に電話がかかってきた際は「ジャニーが悪いんです」「ジャニーが悪いですので、受付させていただきます」と答えていたとか。
ただその後、あらためて電話があり、「実は、会社の中でジャニーズを反抗するような本を出している人に『そんなお金なんか出せるか』『金取る気か』っていう話になった」ために、補償対応はしてもらえたかったそう。
幸子さんは、悲痛な表情を浮かべながら、「結局、『ジャニーが悪いです』って言いもって、何も悪いということを、一つも思っていらっしゃらないんだなって、つくづく思いました」と語った。
なお、NHKの取材に対し、SMILE-UP.側は「いわゆる『暴露本』を出版したことをもって補償対象としないという方針は有していない」と回答したという。
SMILE-UP.補償本部長、「会社として痛めつけられた」「心の底からお詫びできない」と主張
番組終盤では幸子さんが同社の「補償本部・本部長」(番組テロップより)とやりと取りする場面を公開。
幸子さんが「ちょっとお尋ねしたいと思いましてね。どういう謝り方、お金はいいんですよ。謝り方をしていただけるのかなと思って」と切り出すと、電話口の担当者は「すいません、簡単に答えられなくて……」と言葉に詰まった。
とはいえ、「ただ、誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今、わからなくて。その本人たちが死んじゃってるんで。被害者の方々に東山が会う時は、謝罪をしているんですけど」「(幸子さんが)おっしゃっていることはわかるけど、本を書かれて(会社側が)痛めつけられたのは間違いないんで。会社としては、すごくつらい目にあったのは間違いないんで」とも主張。
幸子さんが「そんな影響ありましたか? 弟の本で」と食い下がると、「僕ね、その時期のことは知らないんで。そこで『謝罪はない』と言われたら、うーん……じゃあ謝罪すればいいのかな……としか今、ちょっと思えなくて」「謝罪する相手は本人なんですよ」と述べた。
そして、「(良氏の)お墓行って、お参りしてくれる?」という幸子さんの提案には「それは東山がするの?」と“タメ口”で反応し、幸子さんが「そりゃそうでしょ。だって、当たり前のことじゃない。だって(当事者のジャニー氏は)亡くなっちゃったんだから」とややヒートアップすれば、「いや、なんで東山がしなきゃいけないのか、ちょっと僕わかんないんですよ。『メリーが謝れ』『ジャニーが謝れ』だったらわかるけど」と、開き直ったような口ぶりに。
さらには「東山は別に、加害者じゃないですからね。心の底からお詫びができないので、今の話を聞いてると」「ちょっと僕は納得いってないですね。だから、それも含めて、ちょっと東山と相談してみますけど」と述べていた。
なお、番組ナレーションによると、最終的に東山社長は幸子さんと面会し、ジャニー氏の性加害について謝罪したという。
SMILE-UP.のぞんざいな応対に、視聴者から「誠実さの欠片もない」厳しい声
オンエアを見たネット上の視聴者の間では、こうした補償本部長の応対に批判が集中。
「ひどすぎる。誠実さの欠片もないし、非常識。これでは、被害者が被害を訴える前に心を折られると思う」「ジャニーズの体質と本音が全部出てた」「『心の底からお詫びできません』って、被害者の家族に直接言うのはヤバすぎ。引いた」という声や、「加害者ではない東山さんが謝る必要はないっていうのはわかるけど、社長にはその責任がある。この社員はそれをわかってないの?」との指摘も寄せられた。
また、被害者やその家族へのあまりにもぞんさいな応対には、「最初から喧嘩腰でいくように、NHKが本部長へ演出をしたとしか思えなかった」「補償本部の本部長って本物? あんな受け応えをする人が窓口なの?」「仕込みや、やらせの人じゃないってどう証明するの?」などと、事実とは思えないとする声も上がっていたほどだ。
22日正午時時点で、SMILE-UP.側は公式サイトなどで『Nスペ』の放送に触れていない。番組内容が物議を醸している中、同社はこのまま沈黙を貫くのだろうか?