業界1位の絶好調スーパー【まいばすけっと】、買い物して見えた“求められる”理由

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 現在、1100店舗を展開するイオン系列の小型スーパー「まいばすけっと」。小型スーパー業界では2位を大きく引き話すぶっちぎりの1位の同店。絶好調の背景を知るべく、実際に店舗を利用してきました。
目次
【まいばすけっと】とは?
【まいばすけっと】実際に買い物してみた
【まいばすけっと】購入品
【まいばすけっと】買い物難民、最後の砦
【まいばすけっと】とは?
 2005年に1号店を開店し、22年に1,000店を突破したまいばすけっと。イオンリテール株式会社より分社化したまいばすけっと株式会社の都市型小型食品スーパーです。
 出店地域は東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県(北海道はイオン北海道株式会社の運営)。小型食品スーパー業界では店舗数で圧倒的な1位を誇り、2ケタ台の店舗数にとどまっている2位以下のアコレやマルエツプチを大きく引き離しています。
 まいばすけっとのコンセプトは「近い、安い、きれい、そしてフレンドリィ」。撤退したコンビニエンスストアや小型スーパーの店舗跡に出店するケースが多く、近隣店と数十メートルしか離れていない店舗もあります。
 なお、イオンが4月10日に発表した2024年2月期決算によると、営業収益と経常利益は過去最高を更新。特に、まいばすけっとが前年比3倍増の大幅増益でけん引したとのことです。
【まいばすけっと】実際に買い物してみた
 前年比3倍の増益でイオンを引っ張る存在となったまいばすけっとについて、その絶好調ぶりを探るべく、実際に買い物をしてきました。
 今でこそいくつかのスーパーを利用しているものの、2年前まではまいばすけっとがないと生きていけないほどのヘビーユーザーだった筆者。今回は、他スーパーと比べながらまいばすけっとをチェックしていきます。
売り場の印象
 今回利用した店舗は元ファミリーマート。道路を挟んだ向かいには大手ドラッグストアチェーンのスギ薬局があり、ここは元食品スーパーの三徳でした。なお、この店舗から徒歩3~4分の場所にもまいばすけっとがあります。
 入店してぐるっと外周を回って見ると、生鮮野菜、魚、肉、日配品、飲料、パン、総菜、冷凍食品・アイスという並び。魚の種類は数点しかなく、きはだまぐろの角切りやトップバリュのさばがあるものの、メインは冷凍室の切り身や加工品です。
 以前、まぐろの刺身を購入したことがあるんですが、身が水っぽく、まぐろの味もまったくなくて、何を食べているのか不安になるような食べ物だったのが衝撃でした。友人から「まいばすけっとで魚なんて買っちゃだめだよ」と後日言われたので、鮮魚については諦めてる人も多いのではないでしょうか。
 精肉に関しては、豚肉ミンチ(解凍)、国産若どり胸肉ミンチ、国産豚肉小間切れ、国産豚肉ばらうす切りなど一通り展開。夕方にはあらかた売れている印象で、需要の高さがうかがえます。
 調味料やレトルトフード、缶詰などは少数精鋭。イオンのPBトップバリュの商品と他メーカー品がうまく共存していて、「トップバリュしかない!」といった圧はありません。
価格帯
 ディスカウントスーパーのオーケーをはじめとする格安スーパーを日常的に利用していると、全体的に割高な印象。とはいえ、野菜に関しては価格差を感じにくく、むしろ安いものもありました。
 たとえば、豆苗106円(税込、以下同)、バナナ128円、ピーマン袋入り193円、トップバリュのカットキャベツ105円。ピーマンは30%引きのものも。
 一方で、メーカー品の冷凍食品は向かいのスギ薬局のほうが数円安く販売されているのを確認。日清の「もちっと生パスタ濃厚カルボナーラ」が214円(まいばすけっと)と203円(スギ薬局)でした。ただ、まいばすけっとは冷凍パスタ・汁なし麺を3個まとめ買いすると3つで540円になるキャンペーン中。
 また、以前からまいばすけっとはアイスが安いと感じていたんですが、スギ薬局と比べてみるとオトク度がスゴい! 
 「ガツンとみかん5本入り」258円(まいばすけっと)と321円(スギ薬局)、「パリパリバー バニラ6本入り」214円(まいばすけっと)と321円(スギ薬局)。なんと100円以上も違いました!
 そのほか、ポッキー極細182円、メイトーの牛乳「大地と酪農の恵み」171円、日清カップヌードル204円(3点で537円キャンペーン)、ケロッグ オールブランフルーツミックス625円(2点で1077円キャンペーン)など。
 精肉は、豚肉ミンチ(解凍)100g109円、国産若どり胸肉ミンチ100g119円、トップバリュうまみ和豚の国産豚肉小間切れ100g165円など。103g、140gなどの少量パックでの販売が目立ちました。
 総菜も少量パックがメインで、春雨の酢の物214円、蒸し鶏ザーサイ322円など。お弁当はカレーやそば、納豆巻、パック寿司、サンドイッチまで一通りあるものの、店内調理品ではないので素っ気なく、コンビニと同じ風情。とはいえ、個人的に「4種のねばねばサラダ」が好きでよく食べていました。
 全体的な肌感としては、イオンで買い物しているような価格帯といえそうです。
【まいばすけっと】コンビニとの違い
 コンビニとわかりやすく異なる点は、営業時間と商品の値引きが挙げられます。
 24時間営業ではなく、開店閉店時間がある形式。そして賞味期限が近い紙パック飲料や食品、見切り品の野菜が30%引きなどで売られます。
 また、店外に商品が陳列されているのもコンビニでは見ない光景。カップラーメンや袋麺、トイレットペーパーが出ていました。筆者が利用していた店舗では、お菓子やキャンペーン中の商品が出ていた印象が強いです。
 一方で、コンビニのレジ横で定番のホットスナックはまいばすけっとにはなく、レジ周りはスッキリ。ちなみに2024年4月現在、電子マネーのau PAYやPayPay等が使えないのが地味なトラップです。
【まいばすけっと】購入品
緑黄色野菜の胡麻和え
 総菜コーナーで1人用の総菜が種類豊富に並んでいたので一つ購入。税抜き159円。食べきりサイズでちょうどいい。
国産小麦と米粉のロール 
 ロールパンがほしくて購入。税抜き109円。初めての商品なので相場感がわかりませんが、イオンネットスーパーでは税抜き148円でした(4月12日時点)。
 イオンのPBベストプライスのバナナ、税抜き119円。このほかオーガニックバナナ税抜き228円、甘熟王バナナ税抜き199円と種類豊富でした。
トマト
 税抜き99円。きれいで傷もなく、しっかりしたトマトでした。
【まいばすけっと】買い物難民、最後の砦
 今回、意識的にまいばすけっとを見て回り、コンパクトに必要なものがそろい、価格も頑張っていることにあらためて感心。生活用品から食品まで一通り揃うラインアップは、田舎や離島で見かける個人商店型のスーパーにも重なりました。
 都内は近隣にスーパーがないエリアも少なくなく、野菜や肉など購入するのも一苦労。単身者用に小分けされた肉や値引きされた野菜に、何度助けられてきたことか、自身を振り返っても数え切れません。
 一方、一般的なスーパーの利用者目線でとらえると、総菜や弁当は素っ気なく、鮮魚については品質に疑問符がつき、品数も心もとないのは否定できません。しかし、そんなことはぜい沢だと言われてしまうほど、都内のスーパー事情は貧困だとも考えられるでしょう。
 そういえば、芸人コンビの中川家・礼二が、「まいばすけっとで買い物してもね、『あれほしい、これほしい』ってないんです。それが。ほしいものは間違いなくないんです。せやのに、ほしくないものはいっぱいあるんです。そう見えるんです、まいばすけっとは」とコントの中で言っていて、うなずいたことがあります。それでも、ここで買わないと生活ができない。買い物難民にとっては、本当に最後の砦なんですよね。
 まいばすけっとの絶好調のウラに、そんな難民の姿が見えてきましたが、今後どこまでまいばすけっとが成長するのか? これからも求められ続けるのか、注目しています。
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