台湾のロマンス詐欺に引っかかりかけた? はるな愛に見る「騙されやすい人」の特徴

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私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。
<今回の有名人>
「台湾のすごい素敵なお金持ち」はるな愛
『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系、12月8日)
 コロナ禍前のことだが、知人の知人がオレオレ詐欺に遭った。その際、警察の人から、家の固定電話には直接出ず、留守電に「この電話は録音されています」というメッセージを入れておくこと、そして「新たな詐欺に気をつけろ」と繰り返し言われたそうだ。悪い人の間では、オレオレ詐欺に引っかかった人の情報が出回っていて、また騙してやろうとばかりに、新たに狙われることが多いからだという。
 また、ある女性探偵が「結婚詐欺に遭う女性は、何度も騙される傾向がある」と話していたのを聞いたことがある。結婚詐欺に遭った場合、恥ずかしさのあまり、騙されたことを周囲に隠してしまう。そして、この経験をとうに過ぎ去った出来事にしたいと焦り、すぐに結婚をちらつかせる別の結婚詐欺師に引っかかるのだそうだ。
 こういう詐欺に遭わないためには、第三者に意見を聞いて、冷静になることが必要なのではないだろうか。はるな愛が出演した12月8日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』を、いち視聴者として第三者目線で見ると、騙されやすい人の特徴がわかったような気がした。
 はるなは22歳の時に、ニューハーフ専門の詐欺師に1億円の借金を背負わされそうになった過去を告白。彼女は、自身の勤めるニューハーフクラブに客としてやって来た、手広くビジネスを手掛けている40代のイケメンビジネスマンと交際を始める。初デートで200万の指輪をプレゼントされ、ファーストクラスで香港旅行に連れて行ってもらうなど、大金を貢がれ、結婚を匂わすようなことも言われた。
 舞い上がるはるなだが、実母から「あんたが代表になっている会社から通知が届いたんだけど、あんた会社作ったの?」と連絡を受ける。はるなは、自分の名義でいつの間にか会社を作られ、1億の借り入れがなされていたことを知った。母親のアドバイスに従い、すぐ弁護士に相談すると、今までのデート代やプレゼント代は1億の借入金から支払われていたことを示唆されたという。
 つまり、はるなは知らないうちに借金を背負わされていたわけだが、香港旅行の手続きの際、彼女は相手の男性にパスポートを預けており、それを悪用して、会社を設立した可能性が高いとのこと。今のように本人確認や個人情報にうるさくない時代だったからこそできたことなのだろう。
 その後、はるなの弁護士は、会社の設立が不当であることを理由に、相手の男性にはるなを代表取締役と連帯保証人から外すように求める内容証明を送付。相手の男性が受理し、はるなの名を外したため、彼女の返済義務はなくなった。
 これでめでたしめでたし……と言いたいところが、話はここで終わらない。
 はるなの自宅には高級ブランド品がたくさんあるそうだが、詐欺師に“家バレ”していることに不安を覚え、不動産会社に勤務する男友達にそのことを打ち明け、セキュリティ対策が万全の同社管理のマンションを紹介され、引っ越しをする。
 しかし、1カ月ほどたった頃、それらはきれいに盗まれてしまい、被害総額は約3000万。警察からは「プロの手口」と言われたそうだ。男友達の勤務先に電話をすると、彼はすでに退職していたことを知らされる。彼が窃盗とどんな関係があるかはわからないが、後年、偽札を刷って逮捕されたという。
1億詐欺オトコの“愛情”を信じるはるな愛
 このほかにも、インスタで知り合った「台湾のすごい素敵なお金持ち」から、“ロマンス詐欺”と思われるアプローチを受けて舞い上がるなど、金銭的な被害はなかったものの、はるなはどこか危なっかしい。
 詐欺事件では、騙す人が悪いに決まっている。しかし、はるなもちょっとズレているというか、騙されやすい部分があることは否めないのではないか。
 まず、1億円詐欺の男性と将来を共にする約束をし、一緒に住む約束をしていながら、相手の家も知らないし、相手がどんなビジネスをしているかも知らない。また、上述した通り、はるなの代理人である弁護士が内容証明を送ると、男性はあっさりそれを受理しており、彼女はその理由を「自分も手広くビジネスをやっているから、揉め事が嫌だったのかも」と分析した。
 番組出演者は「え?」と驚いていたが、私も同じ反応だ。本当に手広くビジネスをしている実業家なら、なぜ、刑事事件に発展するリスクを背負ってまで、はるなを騙す必要があるのだろうか。それは彼が詐欺師を生業としているからではないか。アルコ&ピースの平子祐希が「それ(ビジネス)、やってなかったと思うぜ」とツッコむと、憮然とした顔をしていた。
 またはるなはこんなズレたことも言っていた。1億詐欺オトコが自分を罠にかけようとしていると知った際、彼女は弁護士から、詐欺に気づいていないよう、いつも通り振る舞うことを指示される。1億詐欺オトコはいつものようにはるなにディープキスをしてくるが、彼のことが怖くなってしまった彼女は受け入れられない。しかし、1億詐欺オトコは、はるなの閉じた前歯をこじあけて、舌を入れてきたそうだ。
 その行為をはるなは「すごい愛情だったのよ」と言い、番組出演者に「愛情じゃない」と総ツッコミされていた。詐欺師はそうやって熱烈な愛情表現をすることではるなを夢中にし、詐欺を完遂させようとしたのだと番組出演者全員が思っていたが、当の本人はどうも理解していないようだった。

 はるなは1億詐欺騒動を振り返り「恋心が一番危ない」と言っていた。一歩間違えば1億もの借金を返済しなければならなかったかもしれないのに、「すごい愛情だったのよ」と言ってしまうのは、愛され願望の強さの表れかもしれない。
 が、それだけではないように思う。はるなはのちに偽札を刷ったとして捕まる、元不動産会社勤務の男性について「お金への執着がすごいから」と言っていたけれど、失礼ながら、はるなも結構お金にこだわっていないだろうか。だから、1億詐欺オトコが自分を騙そうとしていたとわかっても、「世界を飛び回っている、お金持ちのビジネスマン」という設定を信じ続けてしまうのだと思う。
 それに、一度も会ったことがない、ロマンス詐欺とおぼしき台湾人についても「すごい素敵なお金持ち」と言っていたが、彼がお金持ちであるという根拠はいったい何なのだろうか。会っていない相手を簡単に「お金持ち」と信じてしまうのは、自分の恋人には、お金持ちであってほしい、お金持ちに求められたいというはるなの気持の表れのように思えるのだ。
 同番組出演者のハライチ・澤部佑は、「危ないです、はるなさん」と言っていたが、確かに、愛とカネを強く求めているように見える彼女は、悪い人からすれば騙しやすいタイプなのかもしれない。
 しかし、この「愛されたい、お金がほしい」という気持ちをはるなから取り去ってしまったら、彼女の個性が消えてしまうのではないかとも思う。はるなは芸能人としてだけではなく、飲食店を数店経営するなど、実業家としても成功を収めているが、これは「愛されたい、お金がほしい」という気持ちがプラスに働いた結果なのかもしれない。
 1億詐欺オトコの時は、実母のアドバイスにより、すぐ弁護士が介入して問題を解決し、台湾の金持ちオトコの時は、友人の指摘により、相手に「ロマンス詐欺って言われる」と直接疑問をぶつけたところ、逆ギレされて縁が切れたそうだ。本来なら、自分で詐欺に気づくのが望ましいが、はるなの場合は、第三者の意見を聞き、受け入れることで、難を逃れているのだ。
 本当に騙されて、危害を加えられたり、お金を盗られてしまった話は、テレビで大っぴらに話せないが、「騙されかけた話」であれば、番組を盛り上げるし、はるなにとってもラッキーだろう。彼女がバラエティ番組で、「危ないところだったよね~」と、また新たな「騙されかけた話」をする姿が、近いうちに見られるような気がしてならない。
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