中学受験、最後の模試で「合格確率20%」――第1志望校を変えなかった/変えた親子の話

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 いよいよ12月に突入し、中学受験を控える小学6年生はラスパートをかけていることだろう。大手塾の模試も最終回を迎える中、その結果に頭を抱えてしまうという親御さんは少なくない。例えば、これまでずっと目標にしてきた憧れの中学の合格確率が20%だった場合、志望校を変えるべきか、変えないべきかに悩んでしまうというケースだ。
 サイゾーウーマンはこれまで、受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー鳥居りんこ氏の連載「“中学受験”に見る親と子の姿」内で、このような事態に陥った親子の話を取り上げてきた。今回は、志望校を変えなかった親子、変えた親子それぞれのエピソードを紹介する。
 どちらの道を選ぶのが正解かはわからない。しかし、最終模試の結果を見て“どん底”の気分になっているという人は、ぜひ参考にしてもらいたい。

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
中学受験、最後の模試で「合格率20%以下」、親は志望校を変えさせるべき?
※初出:2021年12月12日 
 早いもので今年も師走。中学受験も本番直前で、大手塾の模試も最終回を迎える。こうなると次回の試験が入試本番となってしまうので、最終模試で思わしくない結果が戻ってくると自信がなくなり、リカバリー方法を見失いがちである。
 合格確率の低さを表す数字と共に「志望校の再考」を促すコメントが付いた場合、子どもも辛いのであるが、どちらかと言えば親の方がメンタルダウンになるケースは「あるある」だ。
 親だけがひとりで孤独に落ち込んでいるのならば、まだ救いはあるのだが、こういうタイプの親は往々にして、「不合格になる不安」をよりによって受験の当事者である我が子にぶつけてしまうので、性質(たち)が悪いのだ。
 毎年、親の不安が影響して、呪いにかかったかのように実力が発揮できない子が出るのでここからの親の仕事はただひとつ。「いかに良い気分で受験本番を迎えさせるか」だけである。
 陸也さん(仮名)は現在、難関校S学院の高校生だ。彼は小学6年生当時、有名中学受験塾の最上位クラスに所属していたそうだが、彼が言うには「常に崖っぷち」。クラス分けテストでは「毎回、クラス落ちを覚悟した」という。
 なんでも「ここぞ!」という時に限って、ケアレスミスを連発。絶対に落とせない問題に限って単純なミスが出る始末で、これには陸也さんはもちろん、塾の先生も頭を抱えていたそう。
「あれは確か12月の最終模試でしたね。結果が返ってきて、絶望しました。S学院の合格確率は20%以下。『志望校の再考を!』っていうコメントが付いていましたから」
 塾の先生が「本番に弱い」陸也さんにS学院ではなく、もうひとつ下のランクの学校を本命校にして受験のラインナップを組む作戦を提案するくらい「ヤバイ」結果だったそうだ。
「小4の時から、S学院1本で頑張ってきたので、この最終模試の結果には正直、絶望しました。模試のコメントにも、塾の先生にも『S学院は無理!』って断定されたようで、一気に自信がなくなっちゃって、完全にやる気を失っていました」
 ところが、陸也さんは予定通り、S学院を受験した。
「ウチは母親がすごかったと思いますね。普通なら、うろたえて、塾が言うように、合格を獲りにランクを下げる作戦を勧めると思うんですけど、母はそう言わなかったんですよ」
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中学受験、「最後の合不合」がトレンド入り――最終模試の結果で“第1志望を捨てた”母が「たられば」に苦しむワケ
初出:2022年12月24日
 中学受験もいよいよ本番間近。年明けには全国各地で入試が始まる。先日Twitterでは「最後の合不合(※)」というワードがトレンド入りしていたが、親たちは、最後の模試の結果を見ながら、最終志望校の選択に頭を悩ませている頃であろう。
※大手中学受験塾・四谷大塚が主催する公開模試「合不合判定テスト」のこと。
 最終模試は、入試本番を前に今現在の実力を推し量ることができる重要なもの。しかし、結果が良かった場合は本試験への猛烈な追い風になる一方、結果が悪い場合は、志望校の想定を根底から揺るがしかねないので、注意が必要だ。
 友梨奈さん(仮名)は今も時々、現在中学2年生の息子・圭斗君(仮名)の最終模試に思いを巡らせることがあるという。
「圭斗が小学校低学年だった頃に戻りたいです。私がダメだったばかりに、こんなことになったのかな……って、今も後悔しかないですね。特に最終模試のことをアレコレ考えてしまいます」
 圭斗君は大のサッカー好きで、幼い頃から地元の少年サッカークラブに参加。圭斗君なりに頑張って練習していたそうだ。
 一方、圭斗君の地元は中学受験熱が高く、低学年から通塾する子も珍しくはないという。その波に飲まれるかのごとく、友梨奈さんは圭斗君が小4になったタイミングで受験塾に行かせるようにしたという。
「当時は、サッカークラブと塾との両立に特に問題はなく、圭斗も勉強を楽しんでいたと思います。ただ、学年が上がるにつれ、だんだんと両立が難しくなってきてしまい、私が半ば強引にサッカーを辞めさせたという経緯があるんです」
 中学受験塾のカリキュラムは小5以降、週3日となるのが一般的で、土日も模試やテストに追われることが普通だ。スポーツや習い事と両立する子もいるが、相当ハードな日々を送ることになる。
「圭斗は、『中学に入ったら、思いきりサッカーをするから、今は受験を頑張る』と言っていたんですが、本心ではなかったようです」
 圭斗君が目指したのは、サッカー強豪校のY学園。勉強に精を出した結果、模試でも射程圏内となり、このまま努力すれば合格の可能性は高い……というレベルに達したそうだ。
 ところが、小6の12月の最終模試で思わぬ事態に遭遇する。Y学園の合格確率は「20%以下」「志望校を再考せよ」という結果だったのだ。
 今まで、取ったこともないような低い偏差値を目の当たりにした圭斗君は、激しく落胆し、「もう塾に行かない」とゴネていたという。
「塾の先生の働きかけで、何とか通塾はするようになったんですが、その頃から、圭斗が頻繁に体調不良を訴えるようになりました。『夜、眠れない』とか、『食欲がない』とか、『だるい』とか……そんな感じでしたね」
 最終模試後、年明けに行われた塾内の試験も結果が思わしくなく、圭斗君は余計に落ち込んでしまったそうだ。
「そんな状態でしたから、『Y学園なんて絶対に無理』と思ってしまって……。そこで、第2志望校のK学園に的を絞って、受験のラインナップを組む作戦を圭斗に勧めたんです。本人も了承したので、K学園の1~3回目入試までを受け続けることにしました。K学園もサッカー部が盛んですし、3回受けたら、どこかでは受かるだろうという読みもあったんですが……」
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