クスリの「末端価格」はどうやって決まる? 元女囚が考える日大アメフト部の違法薬物問題

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 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
日本大学アメフト部のクスリ問題
 皆様、台風は大丈夫でしたか? 関西の被害はシャレになりませんでしたが、瑠壬の方はなんとか無事でした。でも、まだ油断はできませんね。
 さて、編集者さんから日本大学アメフト部のクスリ(違法薬物)問題について聞かれましたが、なんか最近は「学生さんの不祥事」から、「大学のあり方」みたいになっちゃってる気がします。先生の記者会見とかね。
 瑠壬は「大学の役目」とかはようわかりませんが、いろいろバッシングされてるのは気になってます。
 たとえば「アメフト部の部室で大麻を使用してるらしい」情報を大学がキャッチしてから、警視庁に連絡するまで約2週間かかったそうで、これが世間的には「アカン」となってるようですね。しかも大麻だけやなくて覚醒剤も出てきたし。
 でも、瑠壬は最初ちゃんと大学が調べるのはアリかなと思います。そもそもその「情報」が間違うてるかもしれませんしね。大学が調べてから、警察に届けて、処分を考える――でええですよね。
人を殺したわけでもないのに……
 理事長さんの会見とか、瑠壬はついてけてないんですが、学生さんたちは心配です。やっぱり退学なんでしょうか? まあ犯罪は犯罪やけど、まだハタチ前後ですから、大学くらいは卒業させてあげたい気もします。
 ネットでは、弁護士で大学教授の園田寿先生が「0.198グラムの覚醒剤と0.019グラムの大麻所持であるが、実名と写真を公表され、大学も退学となるかもしれない。彼はそんなに重大な犯罪を行なったのか! 違法だからやむを得ないが、違法の量に厳しい制裁は釣り合っているのか! そもそも『厳罰で懲らしめること』は正しいのか!」とコメントされてて、なるほどと思いました。
 ちうか覚醒剤2グラムて……。末端価格で7〜8万円くらいですかね。殺人ちゃうし、そんなんで一生を棒に振るのはどうかなと。
クスリの末端価格の計算方法
 ちなみに警察庁の調査では、覚醒剤は「1グラム=6万円」らしいですが、それはちょっとお高いです。
 モノによっては「粗悪品やから値引き」とか、買い手が芸能人やと「秘密厳守」とか「お金を持ってるから」とかで吹っ掛けたりで、値段は一定してないんですが、東京でも高くて4万円くらいやと思います。大阪はもっと安いですが、最近は「品不足」と「便乗値上げ」もあるらしいです。やめてよかった……。
 この「末端価格」とは、どやって計算してるか、ご存じでした? 警察庁(薬物銃器対策課)は、毎年検挙した事件での薬物の量と値段を集計して、平均を出して各都道府県に通達してるとか。「通達」は法律ちゃうし官報にも載らへんので、警察関係者以外はなかなか見られへんのですが、税金を使てるんやから公開してほしいですよね。
 ここ何年かは、覚醒剤は1グラムあたり6万4,000円、乾燥大麻は6,000円で動きはないそうです。
 あんまりお安いのもアレですが、お高いとシャブを買うために売春する人が(今もいてますが)増えます。シャブは使わないのがいちばんですし、瑠壬はもう使うことはないですが、使いたくなる人の気持ちはすごくわかります。寂しくて、軽い気持ちで手を出すんです。瑠壬もそうでした。
 瑠壬は、「シャブをやめられてる先輩」として、相談相手にはなれると思います。今は保護司さんがマジ足りないそうですし、有名大学を出たエリートさんよりも、瑠壬みたいな「経験者」のほうが説得力あると思いますよ。懲役経験者にも保護司さんの道をぜひ開いてほしいです。
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