ドイツ人彼氏のプロポーズは中華料理屋で……?【国際結婚で移住Vol.5】

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異国の地、ドイツで夫(当時は彼氏)から『付き合って欲しい』と突然の告白。私はあまりの嬉しさに心の中で小躍りしつつYESと即答。晴れて「恋人関係」になった私たちですが、ここからまた更に「夫婦関係」へと急加速していきます。
◆使い捨てオンナにはならない!
お付き合いと同時に(宿泊費の節約のため)同棲までスタートさせてしまった私たち。

普通だったらまず考えられない早すぎる展開だけど、当時は若さゆえになりふり構わず情熱だけに身をまかせ、二人の恋愛はひたすら一直線。

でも、はるばる海外までやってきて、安易に心の手綱を緩めるようなことはしません。

夫の信用度が低いわけではないが、所詮"男はオオカミ"。ポイ捨てされるのだけは勘弁です。

お互いに相手を信じ合える確かな関係を築くまで、一線を越えないことを夫に誓ってもらいました。(振り返れば、単に男の欲望に釘を刺すための口実だったかもしれませんが)
◆1週間目のプロポーズ!まさか中華料理店で!?
正式に付き合いはじめて1週間目のこと。夫が中華料理店のディナーに私を誘いました。この中華料理店へ行くのは、ドイツに到着してから3回目。事前に予約していたようで、一番眺めの良い席に案内されました。

私はお気に入りのメニューをオーダーしたら、しばらくして料理が運ばれて来ました。さぁ食べよう!と思った矢先に、夫が顔を赤らめながら、何だか真剣な表情で、「Keiko、僕と結婚してくれませんか?」とポツリ。
◆ロマンチックなドイツ式プロポーズを夢見たのに?

「ドイツと言えばロマンチック街道っていう有名な観光スポットもあることだし……きっとこれから超ロマンチックな演出が待っているに違いない!」

とプロポーズを受けた後もなお、私はすごいトキメキのサプライズを妄想し、胸を高鳴らせて続きを待っていた。

でもよく考えれば、ここはごくごく普通の中華料理店。この日は平日の夜で店内には仕事帰りのひとり客や若者グループ客も多く、カップルはごくわずか。Tシャツ一枚のウェイターは、1人で切り盛りしながら慌しく料理を運んでいました。
私は何気ないフリをして飲み物のグラス(シャンパングラスでもワイングラスでもない)の中をチェックしてみましたが、婚約指輪なるものは見つかりません。

実は、昔から夢見る夢子の傾向がある私は、シャンパングラスの中から指輪が出てくるハリウッド映画のワンシーンみたいな、外国人男性のキザな演出に憧れていたんです。

「もしや婚約指輪を渡すタイミングを見計らって、右手のこぶしの中にある?」というシーンが脳裏に浮かび、思わず夫の手元を覗き込む。すると、夫は両手を開いて私に優しく微笑みました。

重い沈黙を破るためにも、恐る恐る言葉を選びながら、丁寧な英語で「す、すみません。日本ではプロポーズの際にはだいたい婚約指輪がセットものとなっていまして……」と言葉を返す。

私がドイツにやってきて、初めて畏まって話しかけた瞬間でもありました。
◆愛の儀式も合理性を求めて省略しちゃう?

ドイツの習慣では、挙式のために結婚指輪を必ず購入するが、婚約指輪を渡すことは、本人の自由な意志に委ねられるらしい。

夫は当時貯金を持っていなかったので、婚約指輪を考えていなかったようです。とりあえず結婚の意思だけは伝えようと私にプロポーズをしたようです。

貯金がないのに何ら臆面もなくプロポーズしちゃう男性なんて、日本人女性なら一歩引いてしまうかもしれませんが。

そもそも、男性が婚約指輪を用意してプロポーズの意思を女性に伝えるという文化は欧米から伝来したのではなかったのでしょうか?

付け加えると、婚約指輪の相場は給料の3カ月分(最近は少し安くなっているらしいですが)であることは、誰もが知っている、いわば日本人の常識です。

まさか、ドイツの文化では婚約指輪の購入が自由な意思に委ねられるなんて信じられませんでした。
この先あまり使いみちがない婚約指輪に大金をはたくより、もっと合理的に使うほうがドイツ人らしいことは確かです。
日本でも、婚約指輪の費用を節約して、新居の準備や結婚式代、ハネムーン費用に充てる若者カップルが年々増えているようですが。
◆ドイツ国籍欲しさに偽装結婚の疑惑が浮上?
結局、付き合ってからプロポーズまであっという間の出来事でした。さすがに両家の親も唖然とした態度で、私たちに何度も説得を試みようとしていました。
遂には、夫のお母さんから「ドイツの国籍欲しさにうちの可愛い息子が騙されている!」と電話越しで悲鳴を上げられる始末。
さすがに偽装結婚の疑いをもたれることには感化できず、「ドイツに住むなんてこっちから願い下げよ!」などと、相手の親と壮絶なバトルを繰り広げていました。
恋愛って、周囲の反対が多いほどに燃え上がるものですよね。最終的には双方の親が折れて、二人は無事に籍を入れることができました。かえって、毅然と義母との喧嘩を買った私の株は上がり、認め合うようになったようです。
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