「生き方を選択できる社会に」私たちがフェミニストを自称したい理由
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《連載「となりのビッチちゃん」》
このコラムは、性や恋愛に対して前向きな女性をあえて「ビッチちゃん」と呼び肯定し、女性のライフスタイルの多様性を考えるコラムです。
女性専用車両、女性限定シェアハウス、レディースデーサービス・・・・・・。
世の中には、女性をターゲットにしたたくさんのサービスがあります。
女性って、得なのでしょうか?
それとも、様々な商品を消費するターゲットと見られているのでしょうか?
前回に続き、日本人女性の考えるフェミニズムって何?ということを考えていきたいと思います。
◆自分にとっての“善”こそがフェミニズム
前回は「自分をフェミニストだと思わない」という人の意見を見ていきましたが、今回は、「フェミニストだと思う」という女性たちの意見を紹介します。
「弱いものを守れる人、マイノリティーを尊重できる人、多様性を認められる人、個人の権利を尊重できる人、自分の心の欲求に向き合える人のことを、フェミニズムというんだと思う。
自分はフェミニストだと思うし、そうでありたいと思っている」
そう話す彼女は、まわりの人の反応も、相手によってそれぞれだったと言います。
数年前までは海外の人や帰国子女に「自分はフェミニスト」ということを伝えると、壁を作られたそうですが、今は逆。日本のほうがそういった壁を作られがちなんだとか。
「日本ではネガティブにとられる傾向があるけど、『私も自分の意見言うよ』くらいの軽い感じで、フェミニストを自称しても良いと思う。
社会的な規範や倫理観の前に、自分にとっての『善』を信じるのがフェミニスト。
『フェミニストのくせに!』とか『フェミニストっぽくない』とかは論点がずれていると思う」
という意見も。
フェミニズムやフェミニストが何かということを議論するより、自分にとって何が正しいか、幸せかというような、自分の気持ちや意見に正直になることそれ自体がフェミニズム、という風にも考えられます。
◆なぜ女性向けサービスは広がっているの?
一方で、同じ女性として、女性を応援したいという気持ちから、フェミニストであると感じるという女性もいました。
「男性上位の社会で頑張っている女の子は、たとえ実力才能に欠けても応援してあげなきゃって思ってしまう。自分は女性をこの社会の中で弱者と見ていると思う」
「仕事をするときに女性とのほうがしやすい」
頑張っている女性を応援したいという気持ちから、女性を優遇してしまうという彼女。
女性にチャンスを作るという意味では、応援は役に立ちますが、最終的に評価をするのは世間。
彼女の援助がなくなったときに、つらい思いをしなければ良いのですが・・・・・・。
前回今回と、身の回りの女性たちに話を聞いてみて、
「フェミニストは女性の権利を保守的にとらえているから嫌い」
「フェミニストは女性が自分の権利を選択できるから好き」
というふたつの意見にわかれました。
しかし、いずれも言っていることは同じことではないでしょうか。
女性優遇や女性蔑視ではなく、女性の生き方をフラットに選択できる社会。
求めているのはそんなことのような気がします。
冒頭で触れた「女性向け」のサービスも、これまでに選択肢を持たなかった女性のために、あえてわかりやすく選択肢を提示していると考えることができます。
しかし反対にそれは、「女性向け」という市場や考え方が未開拓であるということも示しています。
いろんな選択肢を提示されているのであって、私たちはそれに当てはめられてはいけません。
サービスも働き方も恋愛・結婚も、自分で考えて選択していくことが、現代社会を生きる“ビッチちゃん”には必要です。
それこそが、本当のフェミニストに近づく道なのではないでしょうか。
文・田口桃子
女性向け動画サイトGIRL’S CHプロデューサー。女性メディアDOKUJOで「となりのビッチちゃん」連載中。普段あまり取り上げられない女性の性についてのリアルを世に広めることで日本のタブーに挑戦している。
このコラムは、性や恋愛に対して前向きな女性をあえて「ビッチちゃん」と呼び肯定し、女性のライフスタイルの多様性を考えるコラムです。
女性専用車両、女性限定シェアハウス、レディースデーサービス・・・・・・。
世の中には、女性をターゲットにしたたくさんのサービスがあります。
女性って、得なのでしょうか?
それとも、様々な商品を消費するターゲットと見られているのでしょうか?
前回に続き、日本人女性の考えるフェミニズムって何?ということを考えていきたいと思います。
◆自分にとっての“善”こそがフェミニズム
前回は「自分をフェミニストだと思わない」という人の意見を見ていきましたが、今回は、「フェミニストだと思う」という女性たちの意見を紹介します。
「弱いものを守れる人、マイノリティーを尊重できる人、多様性を認められる人、個人の権利を尊重できる人、自分の心の欲求に向き合える人のことを、フェミニズムというんだと思う。
自分はフェミニストだと思うし、そうでありたいと思っている」
そう話す彼女は、まわりの人の反応も、相手によってそれぞれだったと言います。
数年前までは海外の人や帰国子女に「自分はフェミニスト」ということを伝えると、壁を作られたそうですが、今は逆。日本のほうがそういった壁を作られがちなんだとか。
「日本ではネガティブにとられる傾向があるけど、『私も自分の意見言うよ』くらいの軽い感じで、フェミニストを自称しても良いと思う。
社会的な規範や倫理観の前に、自分にとっての『善』を信じるのがフェミニスト。
『フェミニストのくせに!』とか『フェミニストっぽくない』とかは論点がずれていると思う」
という意見も。
フェミニズムやフェミニストが何かということを議論するより、自分にとって何が正しいか、幸せかというような、自分の気持ちや意見に正直になることそれ自体がフェミニズム、という風にも考えられます。
◆なぜ女性向けサービスは広がっているの?
一方で、同じ女性として、女性を応援したいという気持ちから、フェミニストであると感じるという女性もいました。
「男性上位の社会で頑張っている女の子は、たとえ実力才能に欠けても応援してあげなきゃって思ってしまう。自分は女性をこの社会の中で弱者と見ていると思う」
「仕事をするときに女性とのほうがしやすい」
頑張っている女性を応援したいという気持ちから、女性を優遇してしまうという彼女。
女性にチャンスを作るという意味では、応援は役に立ちますが、最終的に評価をするのは世間。
彼女の援助がなくなったときに、つらい思いをしなければ良いのですが・・・・・・。
前回今回と、身の回りの女性たちに話を聞いてみて、
「フェミニストは女性の権利を保守的にとらえているから嫌い」
「フェミニストは女性が自分の権利を選択できるから好き」
というふたつの意見にわかれました。
しかし、いずれも言っていることは同じことではないでしょうか。
女性優遇や女性蔑視ではなく、女性の生き方をフラットに選択できる社会。
求めているのはそんなことのような気がします。
冒頭で触れた「女性向け」のサービスも、これまでに選択肢を持たなかった女性のために、あえてわかりやすく選択肢を提示していると考えることができます。
しかし反対にそれは、「女性向け」という市場や考え方が未開拓であるということも示しています。
いろんな選択肢を提示されているのであって、私たちはそれに当てはめられてはいけません。
サービスも働き方も恋愛・結婚も、自分で考えて選択していくことが、現代社会を生きる“ビッチちゃん”には必要です。
それこそが、本当のフェミニストに近づく道なのではないでしょうか。
文・田口桃子
女性向け動画サイトGIRL’S CHプロデューサー。女性メディアDOKUJOで「となりのビッチちゃん」連載中。普段あまり取り上げられない女性の性についてのリアルを世に広めることで日本のタブーに挑戦している。