『「鬼滅の刃」無限城編』歴代3位に! ヒットするアニメ映画の“傾向”とは? 映画興行収入ランキングトップ10

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サイゾーオンラインより】
 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、8月22~24日)で、アニメーション作品『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(7月18日公開、以下『無限城編』)がV6を達成した。

 8月25日発表の全国週末興行成績ランキングでも首位をキープした『無限城編』は、漫画家・吾峠呼世晴氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載した『鬼滅の刃』の劇場版アニメ最新作。上映開始から6週目の週末3日間も観客動員76万4000人、興行収入11億5400万円をあげた。
 累計興収は280億円を超え、国内で上映された歴代映画ランキングでは『タイタニック』(1997年公開/最終興収277.7億円)を追い抜いて第3位に。同ランキングで現在1位の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20年公開/最終興収407.5億円、以下『無限列車編』)、2位の『千と千尋の神隠し』(01年公開/最終興収316.8億円)に続き、日本のアニメ作品がトップ3を占める状況となった。
 ちなみに、前作『無限列車編』は上映開始から11週目に興収324億円を超え、それまで歴代1位だった『千と千尋の神隠し』に代わって首位の座へ。『無限城編 第一章』はまだ6週目を過ぎたところだが、数字の伸びに期待がかかる。
 そんな『無限城編 第一章』がトップに立つ今回の全国週末興行成績ランキングでは、吉沢亮が主演を務める『国宝』(6月6日公開)が4週ぶりの2位に返り咲いた。封切りから12週目の週末3日間も動員34万7000人、興収5億1100万円を記録し、累計興収は115億円を突破。歴代映画ランキングにおいては38位となり、実写の邦画としては『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03年/最終興収173.5億円)に次ぐ2位の成績となっている。

 一方、今回の全国週末興行成績ランキングに初登場した新作は3つ。6位のアナ・デ・アルマス主演『バレリーナ:The World of John Wick』(以下『バレリーナ』)、9位の福本莉子と八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)によるダブル主演作『隣のステラ』、10位のアニメ作品『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』(いずれも8月22日公開)だ。
 レン・ワイズマン監督がメガホンをとった『バレリーナ』は、キアヌ・リーブス主演の大人気アクション『ジョン・ウィック』シリーズのスピンオフ作品。家族を殺害された過去を持つイヴ・マカロ(アナ)が主人公で、父を殺した教団の手がかりを見つけて復讐の炎を燃やすというストーリー。キアヌや『ウォーキング・デッド』シリーズのノーマン・リーダスなども出演している。
 同作について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように解説する。
「『ジョン・ウィック』は日本でも人気のあるシリーズで、特に23年9月公開の4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は初週3日間で興収3.02億円、最終10.4億円となかなかのヒットを飛ばしていました。今回はスピンオフ作品という影響もあってか数字を落としてはいるものの、洋画不振がささやかれる中でもアクション映画としての確かな需要を感じさせる初動ではあると思います」
 なお、今作は「実は“笑える”作品であることが評判を呼んでいる」とか。
「主人公は『お皿』や『スケート靴』など、“その場にあるもの”を駆使して戦うのですが、その様があまりにバラエティ豊かで、もはや『モノボケ殺人』『アクション大喜利』状態になっているんですよ。それでいてシリーズの『殺し屋の美学や壮絶さ』もしっかり受け継がれていますし、予備知識がなくても楽しめる間口の広さもあるので、『スピンオフ作品だから大したことないでしょ』などとたかをくくらず、ぜひ劇場で見てほしいですね」

 続いて、全国307スクリーン公開で初登場9位となった『隣のステラ』は、漫画家・餡蜜氏が「別冊フレンド」(講談社)にて連載する同題作品を実写化。芸能界入りした柊木昴(八木)と彼の幼馴染・天野千明(福本)を中心とした青春ラブストーリーで、共演には倉悠貴、横田真悠、西垣匠、田鍋梨々花らが名を連ねている。
 鑑賞済みのネットユーザーからは「主演2人とも上手だった!」「原作ファンとしても満足。映像がキレイで、良いなと思うシーンがいっぱいあった」「若い子向けだろうと思って不安もあったけど、大人でもしっかり楽しめた」などとおおむね好評だ。

 10位の『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』は、ペンギンボックス氏による同名漫画(KADOKAWA)が原作のウェブアニメ『おでかけ子ザメ』シリーズの劇場版で、テーマは「とかい」へのおでかけ。ウェブアニメ版と同様に子ザメちゃんの声は花澤香菜が担当し、そのほか潘めぐみ、久野美咲、梅原裕一郎、花江夏樹といった人気声優陣が起用されている。
「YouTubeで公開されている第1話が100万回再生を超える人気作であることと、221館という中規模の公開館数から考えれば、妥当か少し物足りない程度の成績かなとは思います。今回の映画の設定やお話は意図的にせよ“ふわっと”しているところもあるのですが、長編として飽きさせない構成になっていますし、優しさでいっぱいな世界観やキャラクターを見て癒されるのは、良い体験になると思います」(前出・同)
『おでかけ子ザメ』が10位に入った一方で、前週までトップ10入りしていたディズニー&ピクサーの最新アニメ作品『星つなぎのエリオ』(8月1日公開)は全国374スクリーンの大規模上映ながら、公開4週目の週末にはトップ10圏外となってしまった。
「『無限城編』も歴史的な特大ヒットを記録していますし、『今の日本はアニメ映画が強い』と簡単に語られがちですが、その半面、オリジナル作品や原作の知名度が低い劇場アニメは苦戦することが多く、実際は『もともと強いコンテンツが映画化でさらに強くなる』傾向にあるのだと思います。今回の『おでかけ子ザメ』は原作書籍の人気はもとより、YouTubeで手軽に視聴しやすい作品ですし、同様に『特大ヒットはしないものの、固定ファンの動員が確実に見込める』作品は今後も“手堅い”手法として劇場アニメ化していきそうですね」
全国映画動員ランキングトップ10(8月22~24日、興行通信社調べ)
1位:『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
2位:『国宝』
3位:『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
4位:『劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」』
5位:『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』
6位:『バレリーナ:The World of John Wick』(初)
7位:『雪風 YUKIKAZE』
8位:『近畿地方のある場所について』
9位:『隣のステラ』(初)
10位:『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』(初)
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