松本人志の芸能界復帰で、マスコミが問われる「性加害意識」と女性蔑視の時代
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下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
「女性自身」連載「赤川次郎 三毛猫ホームズが開く明日への窓」が、いつもいつも素晴らしい。今週も、イスラエル軍のパレスチナに対する非人道的行為(ガザに入る外国人医師から乳幼児のための粉ミルクを没収)に関し、こう苦言を。「かつて、アウシュビッツで、骨と皮だけになって死んでいった同胞がいるユダヤ人。なぜそんなことができるのか」。身に沁みる言葉だ。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・中居正広、驚くべき松本人志との“同時復活”説
・「週刊女性」興味深いアンケート企画への違和感
・嵐、紅白歌合戦にまつわる昭和的“内幕”
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第759回(8/21〜8/26発売号より)
1位「中居正広 沈黙のムコウに待つ復活の“兆し”」(「週刊女性」9月9日号)
2位「パワハラ、セクハラ、問題発言……“アップデート”できない芸能人ランキング」(「週刊女性自身」9月9日号)
3位「嵐 『紅白の目玉に』再結集がもたらした『STARTO』復活の兆し」(「週刊女性」9月9日号)
※「女性セブン」は合併号影響の発売日変更のためなし
中居正広、驚くべき松本人志との“同時復活”説
かなり不穏な動きだ。ひとつの端緒は先週「女性自身」が取り上げた驚きの“中居正広引退撤回”報道だった。記事によると、フジテレビの第三者委員会に対して反論を開始した中居だが、その理由は“性暴力者”のレッテルを払拭し、その上での芸能活動再始動だというのだ。
具体的にはYouTubeなどの動画配信での復帰だ。本当だったらかなり衝撃的だが、「自身」報道を受けて今週の「週刊女性」も中居の復帰に関する記事を掲載しているが、そこには、さらに驚きの情報が紹介されていた。それが中居の“朋友”だったダウンタウン・松本人志との“同時復活”説だ。
ご存じのように松本もまた、“性加害”問題を告発され、芸能界から姿を消した大物芸能人。そして中居と松本は共に表舞台から姿を消した後も、妙な“行動リンク”があった。
まずは今年4月に明らかにされたネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮)」での松本の復帰計画だ。さらにその直後の5月、中居は代理人弁護士を通じて第三者委員会の性暴力認定に反論する文書を出している。まるでシンクロするような2人の“反撃”とも思える動向。当時、本欄では2人の“動向リンク”についてこう指摘している。
「2人の行動の方向性、時間性が微妙にリンクしているように見えること。きちんと説明しないだけでなく、まるで開き直っているかのように感じてしまうこと。そして何より性加害自体がうやむやにされてしまうのではないかとの危惧もある。怖い。」
そして今週の「週女」には、そんな2人の“復帰”についてこんな情報が。
「11月1日から有料配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮)』をスタートすると発表されました。これが松本さんの“再始動”の場になると見られていますが、“中居さんも登場するのでは”と期待する声もあるようです」(スポーツ紙記者のコメント)
“期待する声”がどこからあるのかは不明だが、もしこれが実現したら、社会は、そしてマスコミはどう反応するのだろう。自らに向けられた“性加害”という大きな疑惑についてきちんとした説明もせず、うやむやなまま芸能活動復帰を許すのか。
2人の芸能界復帰には、日本社会の性加害やハラスメントについての意識も問われている。
「週刊女性」興味深いアンケート企画への違和感
このように人々の意識は時代とともに変遷するが、「週刊女性」が面白いアンケート企画を繰り出した。そこには、こんな文章が。
「ひと昔前なら当たり前だったセクハラやパワハラも、時代の流れの中では許されない行為となった。そんな時流に乗ることができず、いつまでも昭和の時代から“アップデート”できないベテランタレントたちは少なくない」
うーーん。“ひと昔前なら当たり前”か。この一言には複雑な思いを抱かずにはいられないが、アンケート結果もまた興味深いものだった。まずランキングを紹介すると、ダントツ1位が和田アキ子、以下武田鉄矢、泉ピン子、明石家さんま、石橋貴明と続く。いずれも“なるほど”な人物だ。
“昭和の考え方をドヤ顔で発信”“昭和のオヤジの説教”“他人をおとしめて笑いをとるスタイルは、いじめとしか思えない”“デリカシーが欠けている”などなど、その理由も“なるほど”なものばかり。なかなか興味深い特集だったが、しかしこのアンケート企画、最後にものすごく違和感のある文章で締めくくられていた。
「昔からの考えにとらわれた“頑固オヤジ”“偏屈オバさん”が生きていける、おおらかな時代は遠くなりにけり――」だって。
おいおい、“おおらかって”どいいうつもりだ。人権意識が低く女性蔑視の時代を“おおらか”なんて言葉で表現してしまう「週女」編集部。“昭和な意識”のスタッフが多いのか!?
嵐、紅白歌合戦にまつわる昭和的“内幕”
そして最後も昭和的エピソードな記事だ。来年5月をもって活動終了(つまり解散)する嵐。そんな嵐にNHKが年末の『紅白歌合戦』の出演オファーをしているらしい。まあ話題的に当然だ。
ジャニー喜多川氏の性加害問題でNHKを出禁になった旧ジャニーズ(STARTO社)だが、最近は雪解け傾向らしいしね。でも、ここでも昭和的な“内幕”が。
「STARTO社は嵐の出場に前向きなのですが、NHKに対して“別のグループも複数出場させたい”と掛け合っているとか」(NHK関係者のコメント)
バーターや抱き合わせ――。芸能界は、まだまだ昭和だ。
「女性自身」連載「赤川次郎 三毛猫ホームズが開く明日への窓」が、いつもいつも素晴らしい。今週も、イスラエル軍のパレスチナに対する非人道的行為(ガザに入る外国人医師から乳幼児のための粉ミルクを没収)に関し、こう苦言を。「かつて、アウシュビッツで、骨と皮だけになって死んでいった同胞がいるユダヤ人。なぜそんなことができるのか」。身に沁みる言葉だ。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・中居正広、驚くべき松本人志との“同時復活”説
・「週刊女性」興味深いアンケート企画への違和感
・嵐、紅白歌合戦にまつわる昭和的“内幕”
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第759回(8/21〜8/26発売号より)
1位「中居正広 沈黙のムコウに待つ復活の“兆し”」(「週刊女性」9月9日号)
2位「パワハラ、セクハラ、問題発言……“アップデート”できない芸能人ランキング」(「週刊女性自身」9月9日号)
3位「嵐 『紅白の目玉に』再結集がもたらした『STARTO』復活の兆し」(「週刊女性」9月9日号)
※「女性セブン」は合併号影響の発売日変更のためなし
中居正広、驚くべき松本人志との“同時復活”説
かなり不穏な動きだ。ひとつの端緒は先週「女性自身」が取り上げた驚きの“中居正広引退撤回”報道だった。記事によると、フジテレビの第三者委員会に対して反論を開始した中居だが、その理由は“性暴力者”のレッテルを払拭し、その上での芸能活動再始動だというのだ。
具体的にはYouTubeなどの動画配信での復帰だ。本当だったらかなり衝撃的だが、「自身」報道を受けて今週の「週刊女性」も中居の復帰に関する記事を掲載しているが、そこには、さらに驚きの情報が紹介されていた。それが中居の“朋友”だったダウンタウン・松本人志との“同時復活”説だ。
ご存じのように松本もまた、“性加害”問題を告発され、芸能界から姿を消した大物芸能人。そして中居と松本は共に表舞台から姿を消した後も、妙な“行動リンク”があった。
まずは今年4月に明らかにされたネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮)」での松本の復帰計画だ。さらにその直後の5月、中居は代理人弁護士を通じて第三者委員会の性暴力認定に反論する文書を出している。まるでシンクロするような2人の“反撃”とも思える動向。当時、本欄では2人の“動向リンク”についてこう指摘している。
「2人の行動の方向性、時間性が微妙にリンクしているように見えること。きちんと説明しないだけでなく、まるで開き直っているかのように感じてしまうこと。そして何より性加害自体がうやむやにされてしまうのではないかとの危惧もある。怖い。」
そして今週の「週女」には、そんな2人の“復帰”についてこんな情報が。
「11月1日から有料配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮)』をスタートすると発表されました。これが松本さんの“再始動”の場になると見られていますが、“中居さんも登場するのでは”と期待する声もあるようです」(スポーツ紙記者のコメント)
“期待する声”がどこからあるのかは不明だが、もしこれが実現したら、社会は、そしてマスコミはどう反応するのだろう。自らに向けられた“性加害”という大きな疑惑についてきちんとした説明もせず、うやむやなまま芸能活動復帰を許すのか。
2人の芸能界復帰には、日本社会の性加害やハラスメントについての意識も問われている。
「週刊女性」興味深いアンケート企画への違和感
このように人々の意識は時代とともに変遷するが、「週刊女性」が面白いアンケート企画を繰り出した。そこには、こんな文章が。
「ひと昔前なら当たり前だったセクハラやパワハラも、時代の流れの中では許されない行為となった。そんな時流に乗ることができず、いつまでも昭和の時代から“アップデート”できないベテランタレントたちは少なくない」
うーーん。“ひと昔前なら当たり前”か。この一言には複雑な思いを抱かずにはいられないが、アンケート結果もまた興味深いものだった。まずランキングを紹介すると、ダントツ1位が和田アキ子、以下武田鉄矢、泉ピン子、明石家さんま、石橋貴明と続く。いずれも“なるほど”な人物だ。
“昭和の考え方をドヤ顔で発信”“昭和のオヤジの説教”“他人をおとしめて笑いをとるスタイルは、いじめとしか思えない”“デリカシーが欠けている”などなど、その理由も“なるほど”なものばかり。なかなか興味深い特集だったが、しかしこのアンケート企画、最後にものすごく違和感のある文章で締めくくられていた。
「昔からの考えにとらわれた“頑固オヤジ”“偏屈オバさん”が生きていける、おおらかな時代は遠くなりにけり――」だって。
おいおい、“おおらかって”どいいうつもりだ。人権意識が低く女性蔑視の時代を“おおらか”なんて言葉で表現してしまう「週女」編集部。“昭和な意識”のスタッフが多いのか!?
嵐、紅白歌合戦にまつわる昭和的“内幕”
そして最後も昭和的エピソードな記事だ。来年5月をもって活動終了(つまり解散)する嵐。そんな嵐にNHKが年末の『紅白歌合戦』の出演オファーをしているらしい。まあ話題的に当然だ。
ジャニー喜多川氏の性加害問題でNHKを出禁になった旧ジャニーズ(STARTO社)だが、最近は雪解け傾向らしいしね。でも、ここでも昭和的な“内幕”が。
「STARTO社は嵐の出場に前向きなのですが、NHKに対して“別のグループも複数出場させたい”と掛け合っているとか」(NHK関係者のコメント)
バーターや抱き合わせ――。芸能界は、まだまだ昭和だ。