中居正広「性暴力」の全貌が明らかに フジテレビ日枝前代表は何を語ったか
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【サイゾーオンラインより】
今週の注目記事・第1位「中居正広“性暴力”の全貌が分かった!」(『週刊文春』8/14・21日号)「日枝久フジサンケイグループ前代表 独占告白10時間」(『文藝春秋』9月号)
同・第2位「高級ホテルで祝宴『悠仁さま』成年式に眞子さん“出席せず”」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第3位「参政党No.2不倫代議士の嘘を暴く! 元妻と愛人2人が怒りの連続告白」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第4位「教員の性犯罪 ワースト自治体はここだ!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第5位「大阪万博 過去最高2・8億円工事未払いが発覚!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第6位「忖度し翼賛するメディアの責任を問う」(『サンデー毎日』8/17・24日号)
同・第7位「中山美穂“香典トラブル”勃発」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第8位「若かりし国分一太がカノジョと酔ってパンツを下した夜」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第9位「問題社員が出世するフジのコンプライアンス」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第10位「福原『伝説のソープ嬢 西ひとみ(50)』が語る“極意と矜持”」(『FRIDAY』8/22・29日号)
石破首相「居座り」の目的は高市潰しか
文春、新潮も合併号である。新潮は560円、文春は590円。
前のフジテレビグループの代表であった日枝久のインタビューを読みたいと、文藝春秋を買ったら1800円。
売れないから値段を上げる。だからまた売れなくなる。悪循環である。
新潮の最終ページにある高山正之のコラム「変見自在」の7月31日号で、「日本名で日本人をあたかも内部告発するような言い方は素直には聞けない。はっきり外国人名で語るべきではないか。
日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と書き、作家の深沢潮や女優の実名を挙げたため、深沢が「外国にルーツがある人への差別的な内容だ」として抗議し、新潮社は謝罪のコメントを出した。
しかし、その内容が通り一遍で誠意がないと批判されている。私もコラムを読んでみたが、論じるに値しない下品な内容である。
新潮社は新潮45という雑誌で、杉田水脈の「性的少数者(LGBTなど)は生産性がない」という文章を載せ、批判が巻き起こると杉田擁護の論陣を張り、雑誌は休刊に追い込まれた。
今回どこまで批判が広がるかわからないが、休刊の声が社内からも出ている新潮だから、これを機に社の上層部は休刊してしまえという決断を下さないとも限らない。
私は、新聞、テレビ、雑誌が、それぞれ切磋琢磨して共存していくのが一番いい形だと思っている。近い将来、これにネットメディアが加わるはずだ。
だが、そうはなりそうもない。既存のメディアには早くも秋風が吹いている。
そんな憂さは忘れて、週刊誌を楽しもう。まずはFRIDAYの記事から。
私はソープという字を見ると、すぐ読みたくなる。私が週刊誌で働き出した時は、ソープではなくトルコといっていたのだが。
今はNHKの大河『べらぼう』ですっかり有名になったが、東京の吉原は当時、最大のトルコ街だった。
だが、やはり雰囲気があったのは滋賀県大津市の雄琴温泉だった。暗闇の高速道路をすっ飛ばして行くと、突然、ネオンが煌煌と輝くトルコ街が現れ、町全体が自分を呼んでいるような気がしたものだった。
女性には怒られるが、色町というのは男をホッとさせる何かがある。今のソープランドは知らないが。
FRIDAYによると、神戸の色町・福原の「FORTE」という店には“伝説のソープ嬢”といわれる西ひとみ(50)という女性がいて、ソープの極意と矜持を教えてくれているという。
18歳でこの道へ入り32年。今でも人気と売り上げのトップに君臨しているというのだからすごい。彼女のもとへは客だけではなく、ソープ嬢たちも彼女に「匠の技」を教えてくれと行列をなすそうだ。教え子の数は1万人を超えるというからすごい。
彼女がこの仕事を始めたのは岐阜県岐阜市の「金津園」だったというが、入店してすぐに「講習」があり、それは厳しかったそうだ。
「当時はお客さんを三つ指ついてお迎えしたのですが、手の置き方が少しでもずれていると先生に指先を踏まれました。覚えが悪い子は、後ろ髪を掴まれて湯船に頭を突っ込まれていました」
成績が振るわない嬢は、店長や男性店員を相手に個室でサービスを行うことが求められたというが、これは指導ではなくいじめだろう。
西は家出娘だったから、追い出されたら行くところがないから必死で覚えたという。
そうやって覚えた秘技の数々が客を喜ばせ、店を繁盛させた。
福原は1868年に公娼街として始まったそうだが、私は行ったことはない。
彼女は30代から、他の店のソープ嬢たちに教える講習を始めた。講習は、生徒と彼女が水着になり、生徒のプレイを体験するところから始まる。
「その子が“素人っぽさ”でアピールしているのか、高級店で働くための基本と応用を学びたいのか。身長と体重、指の長さによっても講習メニューは変わります。最近は爪を伸ばしている子が多いので、その対策も伝授しています」
彼女の教えるのはテクニックだけではない。その日の気分で当日に欠勤をする子がいるが、それがどれくらいお客と店の信用を失うか、考えろと教えるという。
それに彼女には矜持がある。
「下に見たければ下に見ればいい。私たちは誇りを持って働いていますから。私の役割は、習いに来た子たちにしっかり稼げる技術を身につけさせること」
彼女は「エステ店」をやっていて、今はそっちのほうが本業のようだ。
私が心配しても仕方ないが、今の若い子たちはソープへ行くのだろうか。精子の数も少なくなっているというし、性欲もわれわれの若いときのような激しいものはないようだ。それに、噂だが、若い女性のほうが積極的だという話も聞く。
新宿の歌舞伎町の裏では、若い女性たちが“立ちんぼ”をしているという話が週刊誌に載っている。
ソープのような“岡場所”がいつまで続くのだろうか? まあ、男と女がいる限りは大丈夫だとは思うが……。
次は新潮の短い記事だが、フジテレビの“混迷”を表す記事なので紹介しておきたい。
フジ社員で経費の不正使用が発覚したのに“出世”していた社員がいるというのである。
「その問題社員は、経費の不正使用という脛に傷持つ人物でした。にもかかわらず、7月10日発表の人事で営業推進室長から営業局ナンバー3の次長統括に昇進した。営業局関西支社の営業部長だったとき、新・統括部長にはタクシー代の二重清算が露見しました。タクシーチケットで乗車する一方、領収書での清算もしていたのです」(フジテレビ関係者)
金額は100万円にも及んだという。
そのため、営業局関西支社ではタクシーチケットが廃止になったという。
件の人間はBSフジに飛ばされたが、「今度は“カラ出張”の疑惑が出た。趣味のトライアスロンの大会に出場するのに、カラ出張で得た経費を充てているのではないかと、不審の目を向けられたのです」(同)
しかし、4年前にフジテレビ本体に舞い戻ってきたというのである。
「中居問題に関し、清水賢治社長が会見する際には、営業関係についての説明は新・次長統括が任されていました。フジテレビは未だコンプライアンスが機能していません」
私の編集者時代は、出版の全盛期だったから、こんな話はいくらでもあった。某月刊誌編集長は、部下に断りもなく、そいつの名前で仮出張を申請し、そのカネを懐に入れていた。
発覚したのは、部下が経理から、出張精算を早くしてくれと催促され、「俺、そんな出張に行ってない」といったことで明るみに出た。
しかし、その人間は子会社に「天下り」して新雑誌を作り、会社のカネを湯水のように使っていたが、本社からのお咎めはなかった。
タクシー代を含めた「流用」などは、私の若い頃はいくらでもあった。
中でも私が記憶しているのは、先輩だったが、自分で記者を派遣する会社をつくり、週刊誌に所属する記者を使って、上前をピンハネしていた。
さすがにそれが発覚したときは、件の先輩は辞めざるを得なくなった。当時のような風潮が、フジテレビにはまだ残っているとしたら、清水社長は、徹底的にそうした社風をやめさせなければならないはずだが。
ところで、中居正広のフジテレビ女子アナに対する「性加害」問題は、まだ解決からは程遠いようだが、元TOKIOの国分一太の日本テレビでの「不始末」の実態も、まだ不明のままである。
スタッフを殴ったという話や、スタッフの女性にいやらしい写真を送り付けたなど、噂は飛び交うが真偽のほどはわからない。
その国分が、某夜、ある場所で、彼女の前で「パンツを下した」と新潮が報じている。またまた大スキャンダル勃発か?
デイリー新潮(08月06日)によれば、彼が足繁く通っていたダイニングバーがあったという。20年近く前、都心にほど近い高級住宅街の一角に、その店はあったそうだ。3階建ての余裕のある造りで、2階には10名ほど収容できる個室もあり、深夜まで営業していた。
国分は親しみやすく、店員思いでもあったという。
「アメカジが好きだった国分さんは、代官山の『ハリウッドランチマーケット』などのショップで洋服を買っていました。気になった商品はちゅうちょなく買っていたそうです。でも、たくさん持っていても仕方がないということで、着ない分を店員にくれるんです。ある時、ご自宅から車で運んできた大量の洋服をみんなで分けたら、新品同様のものばかりだったなんてこともありました」
しかし、こんな大ハプニングもあったと店の人間が話している。
「ある日、当時の恋人(現在の妻)と店を訪れた国分は、ベロベロになるまで飲み、お互いに唾をかけ合うなどしてじゃれ合っていたという。それだけでもおかしな行動ではあるのだが、その後、国分は突如席から立ち上がり、信じ難い行動を起こした。
『何の前触れもなくズボンとパンツを下ろし、局部を露出したんです。時間にして10秒ほどでした。ガラス越しに外から店内がのぞける1階で起きた、まさかのハプニングです。目を疑いましたよ。彼女はただ笑って見ていましたが』
彼女とは結婚したのだから、セクハラにはならないのだろうが、そうしたオープンな場所で自分のものを開陳する癖があったのではないか。
どちらにしても、国分のある一面を思わせるハプニングである。
次は文春から。中山美穂が自宅の風呂場で亡くなってからだいぶ経つが、美穂の人気は衰えることがないようだ。
4月に行われた「お別れ会」にはファン1万人が列をなし、美穂の祭壇に献花したという。
美穂の妹で女優の中山忍(52)は「皆さまを照らす煌めく星としてどうか心に」と挨拶し、式が終わる夜までその様子を見ていたという。
ところが、この会をめぐって5月頃からあるトラブルが起こっていたと、文春はいうのだ。
「香典として集めたお金が、忍さんら遺族に渡っていない」(芸能事務所関係者)
今回のお別れ会の主催者は「美穂が所属していた事務所のビッグアップル。所属レコード会社だったキングレコードも運営を手伝っていました」(同前)
しかし、この会が異例だったのは、香典を受け取っていたというのだ。
「そもそも芸能人のお別れの会で香典を受け取ることは稀。大抵、案内状に香典辞退を明記します。あるいは香典を受け取っても、使途を明確にする。例えば、2008年に亡くなった飯島愛さんの会では、彼女が生前取り組んでいたエイズ撲滅運動に関連した基金に全額寄付することが発表されていました。でも美穂さんの会では、会社によって香典の額は若干異なりますが、テレビ局、レコード会社の一部は1社につき10万円、芸能事務所は5万円出した。ただその後、香典をどうしたのか、参列者に説明がないままです」(同前)
その上、この会では、ファンからも香典を受け取っていたというのである。何が起きていたのだろう。
忍は何も答えなかったが、美穂が所属していたビッグアップルは、マネージャー時代から37年間美穂と仕事をしてきたという社長の鈴木伸佳が事務所で取材に応じた。
「会が終わってから、香典を渡していないとか、忍さんとマネージャーさんが散々悪口を言っているというのは聞いていました。だから先日、2人をここに呼んだんです」
2000万円程度かかった経費を除いて、遺族に渡すといったというが、この取材の時点でも渡っていなかったようだ。それは、相続人が誰かわからないからだという。辻仁成との子どもは相続放棄している。そうなれば美穂の母親ということになるのだろうが、美穂との仲は悪かった。
美穂が現役中、カネの管理を母親に任せていたが、レストランなどを美穂に無断で開店し、そのほとんどを使ってしまったからだ。
結局、7月下旬になって忍が香典を受け取ることになったと、鈴木は知らされたという。だが、鈴木は、
「これだけ誠実に会をやったのに、何に文句を言いたいのか。(忍からは)有難うございましたと御礼の一つもないんです」
文春は忍にも話を聞いている。彼女は「お別れ会」のやり方に不満を抱いているようだ。
「複雑なものは何もないと言ったら、もちろん嘘になりますが。そもそも誰が(相続人になるのか)っていうところがまだ確定ではないんですよね。母も高齢ですし、いろんなことを後悔していると思いますよ。どうしてこんなことになったんだろうなって。今も泣いたりしています。でも済んでしまったことを責めたり、怒ったりすることをお姉ちゃんは望んでない」
母親とはしこりを残したままで美穂は旅立ってしまったようだ。
ところで、ジャーナリストの青木理が久しぶりに日曜日(8月10日)の『サンデーモーニング』(TBS系)に出ていた。
昨秋、YouTubeの番組で、「劣等民族」発言をしたため批判され、『サンモニ』からも消えていた。
出演は10カ月ぶりだという。青木は改めて、「インターネット上の番組で特定の政党や支持者の方々を誹謗(ひぼう)中傷したと受け取られても仕方ない発言をしてしまった。ネット上で強い批判をいただいた。私自身も不適切だと考えたので、その直後に謝罪をして撤回もしてきましたが、あらためてその発言は不適切だったというふうに考えています」と述べた上で『(自身の発言で)傷つかれた方、ご迷惑をかけた方々に本当におわびを申し上げたいと思います。本当にすいませんでした』と頭を下げ、あらためて謝罪した」(日刊スポーツより)
私は、青木が望んだのではなく、『サンモニ』側が頼んだのだと思う。なぜなら、今のジャーナリズムで、はっきりものがいえる得難い人材だからである。かつては筑紫哲也がいた、本田靖春がいた、立花隆がいた。今は、青木しかいないと思うのは、私だけではないはずだ。だが「舌禍」はいかん。
私はだいぶ前に、青木が『噂の真相』の岡留安則のことを書きたいといっていると聞いていた。一向に書く気配がないのでどうしたのかと思っていたら、今発売のサンデー毎日で、岡留のことを書いていたので紹介してみたい。
『噂の真相』は月刊誌で、1979年に創刊され、2004年に休刊している。やめたのは経営難ではなく、部数も雑誌への評価も最高の時に、岡留はスッパリ休刊してしまった。
休刊した本当の理由は、名誉棄損の賠償額が年々高額化してきたためである。何しろ、今の文春などが大人しくみえるぐらい、毎号、スキャンダルのてんこ盛りで、しかも、裏取りをほとんどしないで載せてしまう記事も多かった。
それだけではなかった。読者などから寄せられる真偽不確かな情報を、見開きページの左右に一行で載せていたのである。
私は何度か岡留に、「あの一行情報は止めた方がいい」といったが、岡留はニヤリと笑って去っていくだけだった。
今だったら山のような名誉棄損裁判を抱え、賠償金で潰れるだろう。
確かに、青木のいうように、ジャニー喜多川の性加害問題やバーニングの周防郁雄などの大手芸能プロの闇を突いたり、現役総理の大学時代の不始末を暴いたりと、「反権力スキャンダル雑誌」を標榜して、書きたい放題だったが、自分のいる新聞、テレビ、雑誌ではできないことをやってくれる雑誌だという評価は、メディアの中では高かった。
青木がまだ共同通信社にいた頃、岡留からこういわれたという。
「青木クンのような大手メディアの記者が書くべきことを書かないから『ウワシン』は成立しているんだ。もしキミたちが書くべきことを全部きちんと書けば『ウワシン』なんてお役御免、たちまち消えてなくなるさ。むしろその方が嬉しいんだけどね、オレは」
私は、岡留からこのような言葉を聞いたことはない。元々、岡留というのはジャーナリズムはこうだ、ジャーナリストはこうあらねばならないという男ではなかった。
彼の凄さは、たとえ暴力団が書かれたことに怒って編集部に殴り込んできても、動ずることがなかったことだった。岡留の最大の強味は「人たらし」だったと思っている。どんな相手でも、「岡留のファン」にしてしまうのだ。これは誰にもできない岡留の能力だった。
青木は、メディアがやるべきことをやらずにいたために、オウム真理教のような事件が起き、極右政党が跋扈する事態を招いたとして、
「ならば、再び岡留の台詞が脳裏に浮かぶ。もちろん岡留が現状を見通していたはずはないし、メディア環境は一層悪化して困難さも増しているが、それらを承知で記せば、岡留の台詞にはいまに通じる部分があるように思う。『陰謀論や排外主義が蔓延ってしまっているのも、キミたち大手メディアの連中が書くべきことを書かず、愚劣な陰謀論者や排外主義者を増長させてきたからじゃないのか。もう『ウワシン』のような媒体はないんだから、キミたちが歯を食いしばって書くしかないんじゃないか』と」
私には『ウワシン』が現在まで存在し得たとは思わない。文春が朝日新聞化して、週刊誌としての活力が失われてしまった今、「所詮噂なんだからそう目くじら立てないで」というやり方が罷り通るわけはないからだ。
いま『ウワシン』があれば、岡留なら、今の時代に一石を投じてくれるのではないか。そう思うのは幻想だと私は思う。
この国が急激に右旋回している時、軍靴の響きが間違いなく聞こえてくる時、言論に携わる人間のやることは一つしかない。「この国の在り方は間違っている」と声を上げることだ。
自分のいる言論機関がやることをやらないなら、中から声を上げていくのだ。そんなことさえできない人間が、どんな高尚なことをいっても、世の中の人は耳を傾けない、信用しない。
自分のいる場所がどこであれ、そこでやるべきことをやるしかない。『ウワシン』がないことを嘆いている場合ではない。
さて、次はまたまた大阪・関西万博の醜聞である。入場者数が予想通りで、利益も出そうだという話が出ているようだが、まだまだ浮かれるのは早いと文春が突き付けた。
「国を挙げて進められてきた万博だが、ここへ来て噴出しているのが、工事費の未払い問題だ。マルタ館では一億円を超える未払いが発覚し、関係業者が訴訟に踏み切った。他にも中国館、ルーマニア館など、七カ国のパビリオンで未払いが発覚。被害を受けている下請け業者は判明しているだけで二十社に上る。
そんな中で浮上したのが新たな巨額未払いトラブルだ。万博の工事に関わった下請け業者が明かす。
『実は、ポーランド館でも未払いが発生している。ある下請け業者に対する未払い額が三億円近い額に上っているのです』
ポーランド館は、螺旋状の外壁が特徴だ。日本の木組み工法に着想を得て『未来を切り拓く遺産』をスローガンに建設。会場ではポーランド出身の作曲家ショパンのピアノ曲の生演奏なども行われ、人気を博している」(文春)
未払いの被害にあっているとされる下請け業者は、愛知県名古屋市の建設会社「アイサポート」だという。同社のA社長に事実関係の確認を求めると、こう答えた。
「確かに、うちの会社はポーランド館の一次下請けです。代金を回収できていないのも事実です」
取材に応じたA社長によると、ポーランド館の発注者は同国政府。元請けはアラブ首長国連邦のドバイにある企業に加え、日本の設計会社「JSC」と建設会社「ナガシマ」の2社の計3社で構成されるJV(ジョイントベンチャー)だという。
そのJVの中核をなすのはドバイ企業である。同社への出資会社で同じくドバイに拠点をもつ「SPI社」のディートマ・カウシツCEOらが度々来日し、日本側の企業との折衝を行ったという。
これだけ見ても複雑な構造になっていて、危うい感じがするが、カウシツCEOは「心配いらない」といい続けたようだ。その上、工事が始まると、当初の話とは違う注文を何度もつけてきたという。
さまざまな経緯があったことは省略するが、何とか万博開幕に間に合わせたが、「5月の支払い期日を過ぎても、工事費が契約通りに振り込まれていなかったのです」(A)
ナガシマの社長に督促すると、17億円だったはずの工事費が21億円に膨れ上がってしまってカネが足りなくなった、家もビルも売るから、来年の2月まで待ってくれといわれたという。
万博協会に訴えても、「未払いはJVと一次下請けの間の問題なので、協会は関与できない」といわれたというのである。
これでは万博だけが栄えて、下請け企業が泣くことになる。協会は責任を感じて、収拾に乗り出すべきであろう。
次は、聖職者ではなく性職者だと思えるぐらい多くなっているように見える性犯罪教師たちは、どこの自治体が多いのかという文春の記事。
「文科省が発表した最新統計(人事行政状況調査)によると、二〇二三年度に性犯罪や性暴力、セクハラ行為で処分を受けた公立学校の教員は三百二十人。一九八八年の統計開始以降、初めて三百人を超え、過去最多を記録した。そのうち、五四・一%が、教員の勤める自校の児童生徒に対する加害行為であった。
学校種別に見ると、最多は中学校の百十一人。次いで高校が百人で、小学校は八十五人、特別支援学校が二十二人と続く」(文春)
国は22年4月に「教員による児童生徒性暴力防止法」を施行して、同法に基づいて性暴力などで処分を受けた教員のデータベースを整備したという。
それによって、「全国六十七の都道府県・政令指定都市の教育委員会が、性暴力等によって免許を失効した元教員の情報を入力し、これを各教委や私立の学校法人が教員採用時に閲覧・活用することが義務付けられました」(文科省関係者)
しかし、こうしたデータベースも有効に活用されていないようだ。
なぜ、教員による性犯罪はなくならないのか?
「日本で先駆的に性加害者の再犯防止プログラムを実践してきた『西川口榎本クリニック』副院長の斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)はこう語る。
『主に十三歳未満の子どもとの性行為に関する欲求・衝動・行動に持続的な関心を持つ小児性愛障害者は、男性で全人口の五%程とされますが、彼らの多くが子どもと関わる仕事に就く願望を持つ。事実、当院を受診した、子どもへの性加害歴のある小児性愛障害者の3割強が教員や塾講師といった職業に就いており、自らの性嗜好が職業選択の基準になっている者がいる』」(文春)
さらに、教員としての日常が性犯罪のトリガーになるというのである。
精神科医として小児性加害者の治療に携わり、性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事を務める福井裕輝はこういう。
「治療に当たる中で、就職した時点で『性加害をするぞ』と決めている人は見たことがありません。教員として勤めるうちに徐々に欲求をコントロールできなくなって性加害に至るケースがほとんどです」
始末の悪い話だが、これを防ぐいい手立てはないようだ。先の福井がこういっている。
「DBの使用徹底で“再犯”は防げても“初犯”を防ぐことは難しい。各自治体で行われている教員に対する研修も、非常に形式的で効果が見込めません。人権上の問題はありますが、採用時のスクリーニングを行うなど、さらなる対策を検討する必要があるのではないでしょうか」
ちなみに教員の性犯罪による処分のワースト1位は大阪・堺市で、全国平均が0.024%なのに、ここは0.07%あるという。これを少ないとみるか多いとみるか? どちらにしても盗撮が簡単にでき、それを共有するSNSがあれば、性職者の数が増えていくことは間違いない。
自分の娘を学校に行かせないということもできないし、女の子(だけではないが)を持つ親は大変だ。
文春で「期日前不倫」と報じられた参政党の鈴木敦衆院議員(36)だが、彼の“元妻”や“愛人”たちが口々に彼のことを話し始めたという。
鈴木の元支援者のB子はこう話す。
「彼がA子さんと密会していた温浴施設は、私も今年3月に彼に誘われた施設です。私も、宿泊エリアの個室で体の関係を持ちました。Xで『スーパー銭湯だから』と釈明していますが、その施設には確かに個室もある。鈴木氏が女性を連れ込む際の定宿なのでしょう」
2015年から約2年間、鈴木と交際していたというC子はこういう。
「奥さんが出産のため実家に帰っていた時期にも、彼が私の家に出入りしていたと分かったのです。奥さんが命がけで子供を産もうとしている最中に不倫に興じていたと知り、愕然としました。同じ女性として、決して許せることではありません」
鈴木と結婚していた元妻は、複数の不倫相手がいることを知り別れたが、毎月2万円の養育費が、ここ1年ほど振り込まれていないと話す。
だが文春がこの件で取材を申し込むと、元妻の口座に1年分が振り込まれたという。元妻はこう話す。
「家庭を壊し、約束も守らない彼は、国会議員として相応しいのでしょうか」
もちろん相応しいわけはない。
ところで、これが事実なら新潮のスクープである。
秋篠宮家の長男・悠仁さんが9月6日に「成年式」を執り行うが、その式に小室圭・眞子夫妻は出席しない、名簿には載っていないと新潮が報じているのだ。
式典の難しい儀式はデイリー新潮から引用する。
「当日の朝はまず、『冠を賜うの儀』から始まります。モーニングコートを召された悠仁さまが、天皇陛下の使者から宮邸で成年の冠を受け取られます。続いて未成年の装束である『闕腋袍』(けってきのほう)に着替えられ、皇居・宮殿で臨まれる『加冠の儀』で実際に冠を被られる。その後は成年用の装束『縫腋袍』(ほうえきのほう)をまとわれ、儀装馬車で宮中三殿(賢所〈かしどころ〉・皇霊殿・神殿)を参拝なさるのです」(宮内庁担当記者)
歴代の天皇や皇族に成年の奉告をなさった後、午後からは、
「燕尾服をお召しになり、宮殿の正殿松の間で両陛下に感謝のお言葉をお伝えする『朝見の儀』が執り行われます。続けて陛下から大勲位菊花大綬章を授けられ、15時をめどに宮内庁長官らから祝賀を受けられます。その後は上皇ご夫妻の元へごあいさつに赴かれ、夜は皇族方や元皇族、親族も招いた私的な祝宴が催されます」(同)
その夜の式典を行う場所が波紋を呼んでいるようだ。
会場は秋篠宮邸のある赤坂御用地からほど近いホテルになるという。皇居内にある会場を使うのは、天皇直系の親族である内定皇族ではない自分が使うのは好ましくないと、秋篠宮が考えたのではないかというのだ。だが、天皇も出席するのだから、そう畏まって考えなくてもいいと思うのだが、それが秋篠宮と紀子さんの考えのようだから致し方あるまい。
新潮は、「『親族』も出席する内々の宴となれば、やはり気になるのが小室圭さんと眞子さん夫妻の動向である。宮内庁関係者は、
『出席者のリストには、夫婦とも含まれていません』
そう明かしながら、
『生まれて間もない子を長旅に連れて帰国というのも現実的ではなく、また眞子さんは日本で受けたバッシングの記憶もあって、帰国には消極的だと聞いています』」
2人が帰国すれば、悠仁さんより小室夫妻にメディアの関心は向かってしまう。それだけは避けたいというのが秋篠宮の考えなのだろう。
しかし、妹の佳子さんと二人で可愛がった弟の目出度い門出の日である。眞子さんは心の底では来たいのではないか? いつになったら、秋篠宮家に春は巡ってくるのだろうか。
さて、今週の第1位は、なんだかモヤモヤしていた中居正広の性加害問題に、決定的と思える被害女性の「その夜何があったか」の詳細を掲載した文春の記事に捧げる。
さらに、この問題をプライバシー保護を理由に隠蔽してきたフジテレビのトップたちの「支配者」であった日枝久のインタビュー(文藝春秋9月号)も紹介しておきたい。
文春は冒頭、その日の夜の描写から入る。
「二〇二三年六月二日、都心の奥座敷と称される東京都目黒区の高級住宅街。雨の降りしきる中、城壁のような石積に囲まれたエントランスに立ったフジテレビ元アナウンサーX子さんは覚悟を決め、事前に知らされていた部屋番号を押した。
高級マンションの最上階に位置する同物件は、〇三年十一月、元タレントの中居正広(52)がいまは亡き父のためにキャッシュで購入したものだ。玄関前に立ち、もう一度インターフォンを押すと、室内から聞き覚えのある声が響いた。
『開いてるよ~!』
九十七平米の室内の中央にあるリビングには、白熱灯が煌々と灯っていた。部屋着のTシャツと短パン姿の中居は、鍋の具材を几帳面に並べていた。
『やっぱりそういうことか……。みんなで飲む気なんて最初からなかったんだ』
X子さんは高級肉を包む百貨店『大丸』の包装紙を目にして、そう確信した。彼女が絶望のどん底に突き落とされたのは、その数時間後のことだった――」
文春が中居とX子との「その夜の出来事」を正確に把握できたのは、X子の仕事仲間の番組スタッフから、中居正広様と書かれたA4の紙3枚の「通知書」を持ち込まれたからだったという。今年7月のことだった。
これは、そのスタッフによると、「彼女は携帯電話のメモ機能を利用し、その日受けた被害を細かくメモしていました。私たちも事件直後から被害の報告を受けていましたが、それを元に代理人弁護士が損害賠償を求める通知書を作成。中居さんの事務所に内容証明郵便を送ったのです」
通知書には「あの夜」の全容が仔細に描写されていたという。さらに番組スタッフが文春に提供したのは、事件当日から同年7月31日の約2カ月にわたり、X子と中居が交わした計50通以上のショートメールのコピーであったという。
その夜、中居の部屋に入ったX子が、中居からどのような性暴力を振るわれたのかを、文春は微に入り細を穿って描写している。
そして、泣いている彼女に中居はこういったという。
「エッチ好きじゃないの? なんで泣いてるの?」
帰宅後に中居から連続的にメールが送られてきたそうだ。
そして“事件”から4日後に、中居にこういうメールを送る。
〈私は普通の人間で、貞操観念も真面目なタイプで そういうことがあると、正直気持ちがついていけず、食事に行けるメンタルではないです…〉(6月6日、16時35分)
明らかな性暴力である。X子の代理人弁護は中居に送った内容証明郵便に概ねこう書いたという。
「人生で一番輝かしい時期に、また将来に向けてさらに大きく羽ばたいていこうと希望にあふれていた中で、貴殿(中居)の性暴力によってその羽をもがれてしまった通知人(X子さん)の無念さ、悔しさは筆舌に尽くしがたいものです」
損害賠償の話し合いは、中居が「貯金がそんなにない」と渋るところもあったようだが、翌年の2024年1月7日に示談の合意書を交わしたそうだ。
この記事でわかったのは、当夜の性加害の実態ばかりではなく、X子にはフジテレビの番組スタッフで、彼女を支援している人間もいたということだった。彼女はフジの中で孤立していたのではなく、何人かの支えてくれる仲間がいたことで、最悪の状態から抜け出せることができたのだろう。
フジテレビの港社長や大多専務たちは、彼女のプライバシーを最優先したなどといい訳をしていたが、社内には中居事件を知っている者がいたのだから、「中居隠し」が成功するはずは最初からなかったのだ。
今回、X子に文春が接触したのは8月上旬だったと記事中にある。これは、「通知書」を手に入れてからは初めて接触したという意味だろうが、彼女は「(中居側との)示談交渉の前に、通知書などを友人らに見せて意見を求めたことは確かにありました」と認めている。
しかし、「守秘義務があるから、その後の経緯や合意書の内容については何も答えられない」ともいっているのだ。
ここで疑問なのは、守秘義務には「その夜何があったか」を明かすことは入っていないのだろうか? 守秘義務は、何千万円で示談したということだけが入っているのだろうか?
常識的には、そうは考えられない。文春の取材に対して中居の代理人は、「ご質問の内容については、双方が合意した守秘義務の対象範囲に含まれる可能性があり」と答えている。
もし中居が破れかぶれで、X子を守秘義務違反で訴えたらどうなるのだろう。もうひと騒動ありそうな気もするのだが。
ところで、フジの「上納文化」をつくった張本人とされている日枝久が、文藝春秋誌上でジャーナリストの森功のインタビューに答えている。
これまでほとんど彼の肉声を聞くことができなかったから、スクープであることは間違いないのだが、内容は、日枝の自己弁護に終始しているだけだ。しかし、端々に「本音」も聞こえてくるから、いくつか紹介しよう。
なぜ、文春を出しているのに文藝春秋に出たのか? 「『文藝春秋』は僕が高校生の頃から愛読していて信頼できる雑誌だし、『週刊文春』とも違う。社員から問い合わせがあれば、そう説明しようと考えています」
文春の中居報道の誤りもチクリと。最初に文春の取材を受けたときは、単なる男女関係のもつれだと捉えていたが、社内の人間が関与しているということになれば話は別で、港社長を呼んで叱ったという。
「ただ文春は、第二弾の記事で編成局の人間が食事に誘ったのではないという事実を認めて否定しているわけではなく、仕事の延長だったとシレッと訂正しただけです。そこも釈然としません」
遠藤龍之介フジテレビ副会長が、2度目の記者会見の時、日枝に辞任を迫ったといっていることに対しては、たしかに「まだ事実関係もはっきりしていないのに、闘わずに辞めるのか。僕は辞めないよ」といったことは事実だが、それには続きがあり、事実が定まってから責任をとって辞めるのはわかるといったとしている。
遠藤に対して日枝はかなり厳しいことをいっている。
「遠藤周作さんの息子だけあって、文学的な表現をしますが、彼の言葉は随分正確性を欠いているところがあるように感じています。そもそも企業風土なんて言葉も彼が言い出した。それで業務の延長としてあんな事件が起きた、中居事件の根っこには、フジテレビの上納文化があるという話がどんどん世間に広がってしまいました。挙句にCMスポンサーが逃げてしまい、なかなか戻って来ない。冗談じゃない、フジに上納文化なんてありません」
こうもいっている。
「上納と懇親はまったく違います。上納は自分の体を捧げるわけでしょう。それはテレビの楽しい文化とは異なります。僕のつくった『楽しくなければテレビじゃない』の延長が、上納の企業風土になったというけれど、その批判は絶対に許せません」
当然ながら、40年近く「独裁者」だったというのも否定している。
森から、決断できる後継者を育ててこなかったことがフジテレビの最大の問題ではないかと問われ、
「僕はフジテレビの社員や役員を否定したくはありません。けれど、そいう傾向があったことは事実です。いくら決めろと言っても、なかなか決断せず、逃げてしまう。もしうちの弊害を問われると、そこでしょうね。逃げる連中ばっかり」
最後に、フジテレビのこれからについてはこう話す。
「清水君(現社長=筆者注)はスポンサーを戻すことに懸命ですが、それだけでは十分ではありません。ジャーナリズムの一角を担う矜持を持ちながら、新たなフジテレビをつくってもらいたい。あの一瞬でこんな会社になってしまうなんて悔しくて堪らない。だからもう一度立ち上がり、時代を変えて欲しいのです」
フジテレビはジャーナリズムだったんだ。日枝のいい分を読みながら、一番感じたのはそのことだった。テレビ局の中では一番ジャーナリズムから遠いのがフジではなかったか。そこをやるとなると、フジテレビ全体を正反対の方向にもっていかなくてはなるまい。そんな人材がフジテレビにいるとは到底思えないのだが。
(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)
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今週の注目記事・第1位「中居正広“性暴力”の全貌が分かった!」(『週刊文春』8/14・21日号)「日枝久フジサンケイグループ前代表 独占告白10時間」(『文藝春秋』9月号)
同・第2位「高級ホテルで祝宴『悠仁さま』成年式に眞子さん“出席せず”」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第3位「参政党No.2不倫代議士の嘘を暴く! 元妻と愛人2人が怒りの連続告白」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第4位「教員の性犯罪 ワースト自治体はここだ!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第5位「大阪万博 過去最高2・8億円工事未払いが発覚!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第6位「忖度し翼賛するメディアの責任を問う」(『サンデー毎日』8/17・24日号)
同・第7位「中山美穂“香典トラブル”勃発」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第8位「若かりし国分一太がカノジョと酔ってパンツを下した夜」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第9位「問題社員が出世するフジのコンプライアンス」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第10位「福原『伝説のソープ嬢 西ひとみ(50)』が語る“極意と矜持”」(『FRIDAY』8/22・29日号)
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文春、新潮も合併号である。新潮は560円、文春は590円。
前のフジテレビグループの代表であった日枝久のインタビューを読みたいと、文藝春秋を買ったら1800円。
売れないから値段を上げる。だからまた売れなくなる。悪循環である。
新潮の最終ページにある高山正之のコラム「変見自在」の7月31日号で、「日本名で日本人をあたかも内部告発するような言い方は素直には聞けない。はっきり外国人名で語るべきではないか。
日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と書き、作家の深沢潮や女優の実名を挙げたため、深沢が「外国にルーツがある人への差別的な内容だ」として抗議し、新潮社は謝罪のコメントを出した。
しかし、その内容が通り一遍で誠意がないと批判されている。私もコラムを読んでみたが、論じるに値しない下品な内容である。
新潮社は新潮45という雑誌で、杉田水脈の「性的少数者(LGBTなど)は生産性がない」という文章を載せ、批判が巻き起こると杉田擁護の論陣を張り、雑誌は休刊に追い込まれた。
今回どこまで批判が広がるかわからないが、休刊の声が社内からも出ている新潮だから、これを機に社の上層部は休刊してしまえという決断を下さないとも限らない。
私は、新聞、テレビ、雑誌が、それぞれ切磋琢磨して共存していくのが一番いい形だと思っている。近い将来、これにネットメディアが加わるはずだ。
だが、そうはなりそうもない。既存のメディアには早くも秋風が吹いている。
そんな憂さは忘れて、週刊誌を楽しもう。まずはFRIDAYの記事から。
私はソープという字を見ると、すぐ読みたくなる。私が週刊誌で働き出した時は、ソープではなくトルコといっていたのだが。
今はNHKの大河『べらぼう』ですっかり有名になったが、東京の吉原は当時、最大のトルコ街だった。
だが、やはり雰囲気があったのは滋賀県大津市の雄琴温泉だった。暗闇の高速道路をすっ飛ばして行くと、突然、ネオンが煌煌と輝くトルコ街が現れ、町全体が自分を呼んでいるような気がしたものだった。
女性には怒られるが、色町というのは男をホッとさせる何かがある。今のソープランドは知らないが。
FRIDAYによると、神戸の色町・福原の「FORTE」という店には“伝説のソープ嬢”といわれる西ひとみ(50)という女性がいて、ソープの極意と矜持を教えてくれているという。
18歳でこの道へ入り32年。今でも人気と売り上げのトップに君臨しているというのだからすごい。彼女のもとへは客だけではなく、ソープ嬢たちも彼女に「匠の技」を教えてくれと行列をなすそうだ。教え子の数は1万人を超えるというからすごい。
彼女がこの仕事を始めたのは岐阜県岐阜市の「金津園」だったというが、入店してすぐに「講習」があり、それは厳しかったそうだ。
「当時はお客さんを三つ指ついてお迎えしたのですが、手の置き方が少しでもずれていると先生に指先を踏まれました。覚えが悪い子は、後ろ髪を掴まれて湯船に頭を突っ込まれていました」
成績が振るわない嬢は、店長や男性店員を相手に個室でサービスを行うことが求められたというが、これは指導ではなくいじめだろう。
西は家出娘だったから、追い出されたら行くところがないから必死で覚えたという。
そうやって覚えた秘技の数々が客を喜ばせ、店を繁盛させた。
福原は1868年に公娼街として始まったそうだが、私は行ったことはない。
彼女は30代から、他の店のソープ嬢たちに教える講習を始めた。講習は、生徒と彼女が水着になり、生徒のプレイを体験するところから始まる。
「その子が“素人っぽさ”でアピールしているのか、高級店で働くための基本と応用を学びたいのか。身長と体重、指の長さによっても講習メニューは変わります。最近は爪を伸ばしている子が多いので、その対策も伝授しています」
彼女の教えるのはテクニックだけではない。その日の気分で当日に欠勤をする子がいるが、それがどれくらいお客と店の信用を失うか、考えろと教えるという。
それに彼女には矜持がある。
「下に見たければ下に見ればいい。私たちは誇りを持って働いていますから。私の役割は、習いに来た子たちにしっかり稼げる技術を身につけさせること」
彼女は「エステ店」をやっていて、今はそっちのほうが本業のようだ。
私が心配しても仕方ないが、今の若い子たちはソープへ行くのだろうか。精子の数も少なくなっているというし、性欲もわれわれの若いときのような激しいものはないようだ。それに、噂だが、若い女性のほうが積極的だという話も聞く。
新宿の歌舞伎町の裏では、若い女性たちが“立ちんぼ”をしているという話が週刊誌に載っている。
ソープのような“岡場所”がいつまで続くのだろうか? まあ、男と女がいる限りは大丈夫だとは思うが……。
次は新潮の短い記事だが、フジテレビの“混迷”を表す記事なので紹介しておきたい。
フジ社員で経費の不正使用が発覚したのに“出世”していた社員がいるというのである。
「その問題社員は、経費の不正使用という脛に傷持つ人物でした。にもかかわらず、7月10日発表の人事で営業推進室長から営業局ナンバー3の次長統括に昇進した。営業局関西支社の営業部長だったとき、新・統括部長にはタクシー代の二重清算が露見しました。タクシーチケットで乗車する一方、領収書での清算もしていたのです」(フジテレビ関係者)
金額は100万円にも及んだという。
そのため、営業局関西支社ではタクシーチケットが廃止になったという。
件の人間はBSフジに飛ばされたが、「今度は“カラ出張”の疑惑が出た。趣味のトライアスロンの大会に出場するのに、カラ出張で得た経費を充てているのではないかと、不審の目を向けられたのです」(同)
しかし、4年前にフジテレビ本体に舞い戻ってきたというのである。
「中居問題に関し、清水賢治社長が会見する際には、営業関係についての説明は新・次長統括が任されていました。フジテレビは未だコンプライアンスが機能していません」
私の編集者時代は、出版の全盛期だったから、こんな話はいくらでもあった。某月刊誌編集長は、部下に断りもなく、そいつの名前で仮出張を申請し、そのカネを懐に入れていた。
発覚したのは、部下が経理から、出張精算を早くしてくれと催促され、「俺、そんな出張に行ってない」といったことで明るみに出た。
しかし、その人間は子会社に「天下り」して新雑誌を作り、会社のカネを湯水のように使っていたが、本社からのお咎めはなかった。
タクシー代を含めた「流用」などは、私の若い頃はいくらでもあった。
中でも私が記憶しているのは、先輩だったが、自分で記者を派遣する会社をつくり、週刊誌に所属する記者を使って、上前をピンハネしていた。
さすがにそれが発覚したときは、件の先輩は辞めざるを得なくなった。当時のような風潮が、フジテレビにはまだ残っているとしたら、清水社長は、徹底的にそうした社風をやめさせなければならないはずだが。
ところで、中居正広のフジテレビ女子アナに対する「性加害」問題は、まだ解決からは程遠いようだが、元TOKIOの国分一太の日本テレビでの「不始末」の実態も、まだ不明のままである。
スタッフを殴ったという話や、スタッフの女性にいやらしい写真を送り付けたなど、噂は飛び交うが真偽のほどはわからない。
その国分が、某夜、ある場所で、彼女の前で「パンツを下した」と新潮が報じている。またまた大スキャンダル勃発か?
デイリー新潮(08月06日)によれば、彼が足繁く通っていたダイニングバーがあったという。20年近く前、都心にほど近い高級住宅街の一角に、その店はあったそうだ。3階建ての余裕のある造りで、2階には10名ほど収容できる個室もあり、深夜まで営業していた。
国分は親しみやすく、店員思いでもあったという。
「アメカジが好きだった国分さんは、代官山の『ハリウッドランチマーケット』などのショップで洋服を買っていました。気になった商品はちゅうちょなく買っていたそうです。でも、たくさん持っていても仕方がないということで、着ない分を店員にくれるんです。ある時、ご自宅から車で運んできた大量の洋服をみんなで分けたら、新品同様のものばかりだったなんてこともありました」
しかし、こんな大ハプニングもあったと店の人間が話している。
「ある日、当時の恋人(現在の妻)と店を訪れた国分は、ベロベロになるまで飲み、お互いに唾をかけ合うなどしてじゃれ合っていたという。それだけでもおかしな行動ではあるのだが、その後、国分は突如席から立ち上がり、信じ難い行動を起こした。
『何の前触れもなくズボンとパンツを下ろし、局部を露出したんです。時間にして10秒ほどでした。ガラス越しに外から店内がのぞける1階で起きた、まさかのハプニングです。目を疑いましたよ。彼女はただ笑って見ていましたが』
彼女とは結婚したのだから、セクハラにはならないのだろうが、そうしたオープンな場所で自分のものを開陳する癖があったのではないか。
どちらにしても、国分のある一面を思わせるハプニングである。
次は文春から。中山美穂が自宅の風呂場で亡くなってからだいぶ経つが、美穂の人気は衰えることがないようだ。
4月に行われた「お別れ会」にはファン1万人が列をなし、美穂の祭壇に献花したという。
美穂の妹で女優の中山忍(52)は「皆さまを照らす煌めく星としてどうか心に」と挨拶し、式が終わる夜までその様子を見ていたという。
ところが、この会をめぐって5月頃からあるトラブルが起こっていたと、文春はいうのだ。
「香典として集めたお金が、忍さんら遺族に渡っていない」(芸能事務所関係者)
今回のお別れ会の主催者は「美穂が所属していた事務所のビッグアップル。所属レコード会社だったキングレコードも運営を手伝っていました」(同前)
しかし、この会が異例だったのは、香典を受け取っていたというのだ。
「そもそも芸能人のお別れの会で香典を受け取ることは稀。大抵、案内状に香典辞退を明記します。あるいは香典を受け取っても、使途を明確にする。例えば、2008年に亡くなった飯島愛さんの会では、彼女が生前取り組んでいたエイズ撲滅運動に関連した基金に全額寄付することが発表されていました。でも美穂さんの会では、会社によって香典の額は若干異なりますが、テレビ局、レコード会社の一部は1社につき10万円、芸能事務所は5万円出した。ただその後、香典をどうしたのか、参列者に説明がないままです」(同前)
その上、この会では、ファンからも香典を受け取っていたというのである。何が起きていたのだろう。
忍は何も答えなかったが、美穂が所属していたビッグアップルは、マネージャー時代から37年間美穂と仕事をしてきたという社長の鈴木伸佳が事務所で取材に応じた。
「会が終わってから、香典を渡していないとか、忍さんとマネージャーさんが散々悪口を言っているというのは聞いていました。だから先日、2人をここに呼んだんです」
2000万円程度かかった経費を除いて、遺族に渡すといったというが、この取材の時点でも渡っていなかったようだ。それは、相続人が誰かわからないからだという。辻仁成との子どもは相続放棄している。そうなれば美穂の母親ということになるのだろうが、美穂との仲は悪かった。
美穂が現役中、カネの管理を母親に任せていたが、レストランなどを美穂に無断で開店し、そのほとんどを使ってしまったからだ。
結局、7月下旬になって忍が香典を受け取ることになったと、鈴木は知らされたという。だが、鈴木は、
「これだけ誠実に会をやったのに、何に文句を言いたいのか。(忍からは)有難うございましたと御礼の一つもないんです」
文春は忍にも話を聞いている。彼女は「お別れ会」のやり方に不満を抱いているようだ。
「複雑なものは何もないと言ったら、もちろん嘘になりますが。そもそも誰が(相続人になるのか)っていうところがまだ確定ではないんですよね。母も高齢ですし、いろんなことを後悔していると思いますよ。どうしてこんなことになったんだろうなって。今も泣いたりしています。でも済んでしまったことを責めたり、怒ったりすることをお姉ちゃんは望んでない」
母親とはしこりを残したままで美穂は旅立ってしまったようだ。
ところで、ジャーナリストの青木理が久しぶりに日曜日(8月10日)の『サンデーモーニング』(TBS系)に出ていた。
昨秋、YouTubeの番組で、「劣等民族」発言をしたため批判され、『サンモニ』からも消えていた。
出演は10カ月ぶりだという。青木は改めて、「インターネット上の番組で特定の政党や支持者の方々を誹謗(ひぼう)中傷したと受け取られても仕方ない発言をしてしまった。ネット上で強い批判をいただいた。私自身も不適切だと考えたので、その直後に謝罪をして撤回もしてきましたが、あらためてその発言は不適切だったというふうに考えています」と述べた上で『(自身の発言で)傷つかれた方、ご迷惑をかけた方々に本当におわびを申し上げたいと思います。本当にすいませんでした』と頭を下げ、あらためて謝罪した」(日刊スポーツより)
私は、青木が望んだのではなく、『サンモニ』側が頼んだのだと思う。なぜなら、今のジャーナリズムで、はっきりものがいえる得難い人材だからである。かつては筑紫哲也がいた、本田靖春がいた、立花隆がいた。今は、青木しかいないと思うのは、私だけではないはずだ。だが「舌禍」はいかん。
私はだいぶ前に、青木が『噂の真相』の岡留安則のことを書きたいといっていると聞いていた。一向に書く気配がないのでどうしたのかと思っていたら、今発売のサンデー毎日で、岡留のことを書いていたので紹介してみたい。
『噂の真相』は月刊誌で、1979年に創刊され、2004年に休刊している。やめたのは経営難ではなく、部数も雑誌への評価も最高の時に、岡留はスッパリ休刊してしまった。
休刊した本当の理由は、名誉棄損の賠償額が年々高額化してきたためである。何しろ、今の文春などが大人しくみえるぐらい、毎号、スキャンダルのてんこ盛りで、しかも、裏取りをほとんどしないで載せてしまう記事も多かった。
それだけではなかった。読者などから寄せられる真偽不確かな情報を、見開きページの左右に一行で載せていたのである。
私は何度か岡留に、「あの一行情報は止めた方がいい」といったが、岡留はニヤリと笑って去っていくだけだった。
今だったら山のような名誉棄損裁判を抱え、賠償金で潰れるだろう。
確かに、青木のいうように、ジャニー喜多川の性加害問題やバーニングの周防郁雄などの大手芸能プロの闇を突いたり、現役総理の大学時代の不始末を暴いたりと、「反権力スキャンダル雑誌」を標榜して、書きたい放題だったが、自分のいる新聞、テレビ、雑誌ではできないことをやってくれる雑誌だという評価は、メディアの中では高かった。
青木がまだ共同通信社にいた頃、岡留からこういわれたという。
「青木クンのような大手メディアの記者が書くべきことを書かないから『ウワシン』は成立しているんだ。もしキミたちが書くべきことを全部きちんと書けば『ウワシン』なんてお役御免、たちまち消えてなくなるさ。むしろその方が嬉しいんだけどね、オレは」
私は、岡留からこのような言葉を聞いたことはない。元々、岡留というのはジャーナリズムはこうだ、ジャーナリストはこうあらねばならないという男ではなかった。
彼の凄さは、たとえ暴力団が書かれたことに怒って編集部に殴り込んできても、動ずることがなかったことだった。岡留の最大の強味は「人たらし」だったと思っている。どんな相手でも、「岡留のファン」にしてしまうのだ。これは誰にもできない岡留の能力だった。
青木は、メディアがやるべきことをやらずにいたために、オウム真理教のような事件が起き、極右政党が跋扈する事態を招いたとして、
「ならば、再び岡留の台詞が脳裏に浮かぶ。もちろん岡留が現状を見通していたはずはないし、メディア環境は一層悪化して困難さも増しているが、それらを承知で記せば、岡留の台詞にはいまに通じる部分があるように思う。『陰謀論や排外主義が蔓延ってしまっているのも、キミたち大手メディアの連中が書くべきことを書かず、愚劣な陰謀論者や排外主義者を増長させてきたからじゃないのか。もう『ウワシン』のような媒体はないんだから、キミたちが歯を食いしばって書くしかないんじゃないか』と」
私には『ウワシン』が現在まで存在し得たとは思わない。文春が朝日新聞化して、週刊誌としての活力が失われてしまった今、「所詮噂なんだからそう目くじら立てないで」というやり方が罷り通るわけはないからだ。
いま『ウワシン』があれば、岡留なら、今の時代に一石を投じてくれるのではないか。そう思うのは幻想だと私は思う。
この国が急激に右旋回している時、軍靴の響きが間違いなく聞こえてくる時、言論に携わる人間のやることは一つしかない。「この国の在り方は間違っている」と声を上げることだ。
自分のいる言論機関がやることをやらないなら、中から声を上げていくのだ。そんなことさえできない人間が、どんな高尚なことをいっても、世の中の人は耳を傾けない、信用しない。
自分のいる場所がどこであれ、そこでやるべきことをやるしかない。『ウワシン』がないことを嘆いている場合ではない。
さて、次はまたまた大阪・関西万博の醜聞である。入場者数が予想通りで、利益も出そうだという話が出ているようだが、まだまだ浮かれるのは早いと文春が突き付けた。
「国を挙げて進められてきた万博だが、ここへ来て噴出しているのが、工事費の未払い問題だ。マルタ館では一億円を超える未払いが発覚し、関係業者が訴訟に踏み切った。他にも中国館、ルーマニア館など、七カ国のパビリオンで未払いが発覚。被害を受けている下請け業者は判明しているだけで二十社に上る。
そんな中で浮上したのが新たな巨額未払いトラブルだ。万博の工事に関わった下請け業者が明かす。
『実は、ポーランド館でも未払いが発生している。ある下請け業者に対する未払い額が三億円近い額に上っているのです』
ポーランド館は、螺旋状の外壁が特徴だ。日本の木組み工法に着想を得て『未来を切り拓く遺産』をスローガンに建設。会場ではポーランド出身の作曲家ショパンのピアノ曲の生演奏なども行われ、人気を博している」(文春)
未払いの被害にあっているとされる下請け業者は、愛知県名古屋市の建設会社「アイサポート」だという。同社のA社長に事実関係の確認を求めると、こう答えた。
「確かに、うちの会社はポーランド館の一次下請けです。代金を回収できていないのも事実です」
取材に応じたA社長によると、ポーランド館の発注者は同国政府。元請けはアラブ首長国連邦のドバイにある企業に加え、日本の設計会社「JSC」と建設会社「ナガシマ」の2社の計3社で構成されるJV(ジョイントベンチャー)だという。
そのJVの中核をなすのはドバイ企業である。同社への出資会社で同じくドバイに拠点をもつ「SPI社」のディートマ・カウシツCEOらが度々来日し、日本側の企業との折衝を行ったという。
これだけ見ても複雑な構造になっていて、危うい感じがするが、カウシツCEOは「心配いらない」といい続けたようだ。その上、工事が始まると、当初の話とは違う注文を何度もつけてきたという。
さまざまな経緯があったことは省略するが、何とか万博開幕に間に合わせたが、「5月の支払い期日を過ぎても、工事費が契約通りに振り込まれていなかったのです」(A)
ナガシマの社長に督促すると、17億円だったはずの工事費が21億円に膨れ上がってしまってカネが足りなくなった、家もビルも売るから、来年の2月まで待ってくれといわれたという。
万博協会に訴えても、「未払いはJVと一次下請けの間の問題なので、協会は関与できない」といわれたというのである。
これでは万博だけが栄えて、下請け企業が泣くことになる。協会は責任を感じて、収拾に乗り出すべきであろう。
次は、聖職者ではなく性職者だと思えるぐらい多くなっているように見える性犯罪教師たちは、どこの自治体が多いのかという文春の記事。
「文科省が発表した最新統計(人事行政状況調査)によると、二〇二三年度に性犯罪や性暴力、セクハラ行為で処分を受けた公立学校の教員は三百二十人。一九八八年の統計開始以降、初めて三百人を超え、過去最多を記録した。そのうち、五四・一%が、教員の勤める自校の児童生徒に対する加害行為であった。
学校種別に見ると、最多は中学校の百十一人。次いで高校が百人で、小学校は八十五人、特別支援学校が二十二人と続く」(文春)
国は22年4月に「教員による児童生徒性暴力防止法」を施行して、同法に基づいて性暴力などで処分を受けた教員のデータベースを整備したという。
それによって、「全国六十七の都道府県・政令指定都市の教育委員会が、性暴力等によって免許を失効した元教員の情報を入力し、これを各教委や私立の学校法人が教員採用時に閲覧・活用することが義務付けられました」(文科省関係者)
しかし、こうしたデータベースも有効に活用されていないようだ。
なぜ、教員による性犯罪はなくならないのか?
「日本で先駆的に性加害者の再犯防止プログラムを実践してきた『西川口榎本クリニック』副院長の斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)はこう語る。
『主に十三歳未満の子どもとの性行為に関する欲求・衝動・行動に持続的な関心を持つ小児性愛障害者は、男性で全人口の五%程とされますが、彼らの多くが子どもと関わる仕事に就く願望を持つ。事実、当院を受診した、子どもへの性加害歴のある小児性愛障害者の3割強が教員や塾講師といった職業に就いており、自らの性嗜好が職業選択の基準になっている者がいる』」(文春)
さらに、教員としての日常が性犯罪のトリガーになるというのである。
精神科医として小児性加害者の治療に携わり、性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事を務める福井裕輝はこういう。
「治療に当たる中で、就職した時点で『性加害をするぞ』と決めている人は見たことがありません。教員として勤めるうちに徐々に欲求をコントロールできなくなって性加害に至るケースがほとんどです」
始末の悪い話だが、これを防ぐいい手立てはないようだ。先の福井がこういっている。
「DBの使用徹底で“再犯”は防げても“初犯”を防ぐことは難しい。各自治体で行われている教員に対する研修も、非常に形式的で効果が見込めません。人権上の問題はありますが、採用時のスクリーニングを行うなど、さらなる対策を検討する必要があるのではないでしょうか」
ちなみに教員の性犯罪による処分のワースト1位は大阪・堺市で、全国平均が0.024%なのに、ここは0.07%あるという。これを少ないとみるか多いとみるか? どちらにしても盗撮が簡単にでき、それを共有するSNSがあれば、性職者の数が増えていくことは間違いない。
自分の娘を学校に行かせないということもできないし、女の子(だけではないが)を持つ親は大変だ。
文春で「期日前不倫」と報じられた参政党の鈴木敦衆院議員(36)だが、彼の“元妻”や“愛人”たちが口々に彼のことを話し始めたという。
鈴木の元支援者のB子はこう話す。
「彼がA子さんと密会していた温浴施設は、私も今年3月に彼に誘われた施設です。私も、宿泊エリアの個室で体の関係を持ちました。Xで『スーパー銭湯だから』と釈明していますが、その施設には確かに個室もある。鈴木氏が女性を連れ込む際の定宿なのでしょう」
2015年から約2年間、鈴木と交際していたというC子はこういう。
「奥さんが出産のため実家に帰っていた時期にも、彼が私の家に出入りしていたと分かったのです。奥さんが命がけで子供を産もうとしている最中に不倫に興じていたと知り、愕然としました。同じ女性として、決して許せることではありません」
鈴木と結婚していた元妻は、複数の不倫相手がいることを知り別れたが、毎月2万円の養育費が、ここ1年ほど振り込まれていないと話す。
だが文春がこの件で取材を申し込むと、元妻の口座に1年分が振り込まれたという。元妻はこう話す。
「家庭を壊し、約束も守らない彼は、国会議員として相応しいのでしょうか」
もちろん相応しいわけはない。
ところで、これが事実なら新潮のスクープである。
秋篠宮家の長男・悠仁さんが9月6日に「成年式」を執り行うが、その式に小室圭・眞子夫妻は出席しない、名簿には載っていないと新潮が報じているのだ。
式典の難しい儀式はデイリー新潮から引用する。
「当日の朝はまず、『冠を賜うの儀』から始まります。モーニングコートを召された悠仁さまが、天皇陛下の使者から宮邸で成年の冠を受け取られます。続いて未成年の装束である『闕腋袍』(けってきのほう)に着替えられ、皇居・宮殿で臨まれる『加冠の儀』で実際に冠を被られる。その後は成年用の装束『縫腋袍』(ほうえきのほう)をまとわれ、儀装馬車で宮中三殿(賢所〈かしどころ〉・皇霊殿・神殿)を参拝なさるのです」(宮内庁担当記者)
歴代の天皇や皇族に成年の奉告をなさった後、午後からは、
「燕尾服をお召しになり、宮殿の正殿松の間で両陛下に感謝のお言葉をお伝えする『朝見の儀』が執り行われます。続けて陛下から大勲位菊花大綬章を授けられ、15時をめどに宮内庁長官らから祝賀を受けられます。その後は上皇ご夫妻の元へごあいさつに赴かれ、夜は皇族方や元皇族、親族も招いた私的な祝宴が催されます」(同)
その夜の式典を行う場所が波紋を呼んでいるようだ。
会場は秋篠宮邸のある赤坂御用地からほど近いホテルになるという。皇居内にある会場を使うのは、天皇直系の親族である内定皇族ではない自分が使うのは好ましくないと、秋篠宮が考えたのではないかというのだ。だが、天皇も出席するのだから、そう畏まって考えなくてもいいと思うのだが、それが秋篠宮と紀子さんの考えのようだから致し方あるまい。
新潮は、「『親族』も出席する内々の宴となれば、やはり気になるのが小室圭さんと眞子さん夫妻の動向である。宮内庁関係者は、
『出席者のリストには、夫婦とも含まれていません』
そう明かしながら、
『生まれて間もない子を長旅に連れて帰国というのも現実的ではなく、また眞子さんは日本で受けたバッシングの記憶もあって、帰国には消極的だと聞いています』」
2人が帰国すれば、悠仁さんより小室夫妻にメディアの関心は向かってしまう。それだけは避けたいというのが秋篠宮の考えなのだろう。
しかし、妹の佳子さんと二人で可愛がった弟の目出度い門出の日である。眞子さんは心の底では来たいのではないか? いつになったら、秋篠宮家に春は巡ってくるのだろうか。
さて、今週の第1位は、なんだかモヤモヤしていた中居正広の性加害問題に、決定的と思える被害女性の「その夜何があったか」の詳細を掲載した文春の記事に捧げる。
さらに、この問題をプライバシー保護を理由に隠蔽してきたフジテレビのトップたちの「支配者」であった日枝久のインタビュー(文藝春秋9月号)も紹介しておきたい。
文春は冒頭、その日の夜の描写から入る。
「二〇二三年六月二日、都心の奥座敷と称される東京都目黒区の高級住宅街。雨の降りしきる中、城壁のような石積に囲まれたエントランスに立ったフジテレビ元アナウンサーX子さんは覚悟を決め、事前に知らされていた部屋番号を押した。
高級マンションの最上階に位置する同物件は、〇三年十一月、元タレントの中居正広(52)がいまは亡き父のためにキャッシュで購入したものだ。玄関前に立ち、もう一度インターフォンを押すと、室内から聞き覚えのある声が響いた。
『開いてるよ~!』
九十七平米の室内の中央にあるリビングには、白熱灯が煌々と灯っていた。部屋着のTシャツと短パン姿の中居は、鍋の具材を几帳面に並べていた。
『やっぱりそういうことか……。みんなで飲む気なんて最初からなかったんだ』
X子さんは高級肉を包む百貨店『大丸』の包装紙を目にして、そう確信した。彼女が絶望のどん底に突き落とされたのは、その数時間後のことだった――」
文春が中居とX子との「その夜の出来事」を正確に把握できたのは、X子の仕事仲間の番組スタッフから、中居正広様と書かれたA4の紙3枚の「通知書」を持ち込まれたからだったという。今年7月のことだった。
これは、そのスタッフによると、「彼女は携帯電話のメモ機能を利用し、その日受けた被害を細かくメモしていました。私たちも事件直後から被害の報告を受けていましたが、それを元に代理人弁護士が損害賠償を求める通知書を作成。中居さんの事務所に内容証明郵便を送ったのです」
通知書には「あの夜」の全容が仔細に描写されていたという。さらに番組スタッフが文春に提供したのは、事件当日から同年7月31日の約2カ月にわたり、X子と中居が交わした計50通以上のショートメールのコピーであったという。
その夜、中居の部屋に入ったX子が、中居からどのような性暴力を振るわれたのかを、文春は微に入り細を穿って描写している。
そして、泣いている彼女に中居はこういったという。
「エッチ好きじゃないの? なんで泣いてるの?」
帰宅後に中居から連続的にメールが送られてきたそうだ。
そして“事件”から4日後に、中居にこういうメールを送る。
〈私は普通の人間で、貞操観念も真面目なタイプで そういうことがあると、正直気持ちがついていけず、食事に行けるメンタルではないです…〉(6月6日、16時35分)
明らかな性暴力である。X子の代理人弁護は中居に送った内容証明郵便に概ねこう書いたという。
「人生で一番輝かしい時期に、また将来に向けてさらに大きく羽ばたいていこうと希望にあふれていた中で、貴殿(中居)の性暴力によってその羽をもがれてしまった通知人(X子さん)の無念さ、悔しさは筆舌に尽くしがたいものです」
損害賠償の話し合いは、中居が「貯金がそんなにない」と渋るところもあったようだが、翌年の2024年1月7日に示談の合意書を交わしたそうだ。
この記事でわかったのは、当夜の性加害の実態ばかりではなく、X子にはフジテレビの番組スタッフで、彼女を支援している人間もいたということだった。彼女はフジの中で孤立していたのではなく、何人かの支えてくれる仲間がいたことで、最悪の状態から抜け出せることができたのだろう。
フジテレビの港社長や大多専務たちは、彼女のプライバシーを最優先したなどといい訳をしていたが、社内には中居事件を知っている者がいたのだから、「中居隠し」が成功するはずは最初からなかったのだ。
今回、X子に文春が接触したのは8月上旬だったと記事中にある。これは、「通知書」を手に入れてからは初めて接触したという意味だろうが、彼女は「(中居側との)示談交渉の前に、通知書などを友人らに見せて意見を求めたことは確かにありました」と認めている。
しかし、「守秘義務があるから、その後の経緯や合意書の内容については何も答えられない」ともいっているのだ。
ここで疑問なのは、守秘義務には「その夜何があったか」を明かすことは入っていないのだろうか? 守秘義務は、何千万円で示談したということだけが入っているのだろうか?
常識的には、そうは考えられない。文春の取材に対して中居の代理人は、「ご質問の内容については、双方が合意した守秘義務の対象範囲に含まれる可能性があり」と答えている。
もし中居が破れかぶれで、X子を守秘義務違反で訴えたらどうなるのだろう。もうひと騒動ありそうな気もするのだが。
ところで、フジの「上納文化」をつくった張本人とされている日枝久が、文藝春秋誌上でジャーナリストの森功のインタビューに答えている。
これまでほとんど彼の肉声を聞くことができなかったから、スクープであることは間違いないのだが、内容は、日枝の自己弁護に終始しているだけだ。しかし、端々に「本音」も聞こえてくるから、いくつか紹介しよう。
なぜ、文春を出しているのに文藝春秋に出たのか? 「『文藝春秋』は僕が高校生の頃から愛読していて信頼できる雑誌だし、『週刊文春』とも違う。社員から問い合わせがあれば、そう説明しようと考えています」
文春の中居報道の誤りもチクリと。最初に文春の取材を受けたときは、単なる男女関係のもつれだと捉えていたが、社内の人間が関与しているということになれば話は別で、港社長を呼んで叱ったという。
「ただ文春は、第二弾の記事で編成局の人間が食事に誘ったのではないという事実を認めて否定しているわけではなく、仕事の延長だったとシレッと訂正しただけです。そこも釈然としません」
遠藤龍之介フジテレビ副会長が、2度目の記者会見の時、日枝に辞任を迫ったといっていることに対しては、たしかに「まだ事実関係もはっきりしていないのに、闘わずに辞めるのか。僕は辞めないよ」といったことは事実だが、それには続きがあり、事実が定まってから責任をとって辞めるのはわかるといったとしている。
遠藤に対して日枝はかなり厳しいことをいっている。
「遠藤周作さんの息子だけあって、文学的な表現をしますが、彼の言葉は随分正確性を欠いているところがあるように感じています。そもそも企業風土なんて言葉も彼が言い出した。それで業務の延長としてあんな事件が起きた、中居事件の根っこには、フジテレビの上納文化があるという話がどんどん世間に広がってしまいました。挙句にCMスポンサーが逃げてしまい、なかなか戻って来ない。冗談じゃない、フジに上納文化なんてありません」
こうもいっている。
「上納と懇親はまったく違います。上納は自分の体を捧げるわけでしょう。それはテレビの楽しい文化とは異なります。僕のつくった『楽しくなければテレビじゃない』の延長が、上納の企業風土になったというけれど、その批判は絶対に許せません」
当然ながら、40年近く「独裁者」だったというのも否定している。
森から、決断できる後継者を育ててこなかったことがフジテレビの最大の問題ではないかと問われ、
「僕はフジテレビの社員や役員を否定したくはありません。けれど、そいう傾向があったことは事実です。いくら決めろと言っても、なかなか決断せず、逃げてしまう。もしうちの弊害を問われると、そこでしょうね。逃げる連中ばっかり」
最後に、フジテレビのこれからについてはこう話す。
「清水君(現社長=筆者注)はスポンサーを戻すことに懸命ですが、それだけでは十分ではありません。ジャーナリズムの一角を担う矜持を持ちながら、新たなフジテレビをつくってもらいたい。あの一瞬でこんな会社になってしまうなんて悔しくて堪らない。だからもう一度立ち上がり、時代を変えて欲しいのです」
フジテレビはジャーナリズムだったんだ。日枝のいい分を読みながら、一番感じたのはそのことだった。テレビ局の中では一番ジャーナリズムから遠いのがフジではなかったか。そこをやるとなると、フジテレビ全体を正反対の方向にもっていかなくてはなるまい。そんな人材がフジテレビにいるとは到底思えないのだが。
(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)
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