興収158億円の大ヒット『100万ドルの五稜星』 『名探偵コナン』の終わりはいつになる?

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サイゾーオンラインより】
 興行収入158億円。劇場アニメ『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(2024年)はシリーズ史上最大のヒット作となり、観客動員数は劇場版シリーズの累計で1億人を突破しています。また、永岡智佳監督は日本で初めて興収100億円を超えた女性監督となりました。記録ずくめの作品です。
 人気キャラの安室透を演じてきた声優の古谷徹は、「週刊文春」(文藝春秋)に不倫スキャンダルを2024年5月に報じられて降板しています。しかし、そんな「文春砲」にも『名探偵コナン』の人気は揺るぐことはありませんでした。
 3週連続の「コナン祭り」の最終週となる4月18日(金)の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)は、『100万ドルの五稜星』を本編ノーカットで地上波初放映します。『100万ドルの五稜星』が記録的大ヒットとなった要因と、人気アニメシリーズが抱える最終回の問題について考えてみたいと思います。
アベンジャーズばりの「青山剛昌ユニバース」
 シリーズ第27作目となる『100万ドルの五稜星』の舞台は北海道の函館市です。戊辰戦争の際、新撰組の副長・土方歳三ら旧幕府軍と明治政府軍が「五稜郭」一帯で激戦を繰り広げたことが知られています。
 幕末に築造された「五稜郭」は日本では珍しい西洋式の城郭で、五角形をしています。この「五稜郭」が今回の謎解きのキーポイントとなっています。タイトルに謎解きのヒントが隠されているあたり、推理作家・綾辻行人のデビュー作『十角館の殺人』(講談社)を思わせるものがあります。
 スキャンダルで降板した古谷徹演じる安室透は、今回は物語に関わりません。その分、多彩なゲストキャラクターが次々と登場します。原作者・青山剛昌氏の連載デビュー作『まじっく快斗』(小学館)の主人公・怪盗キッドが大々的に活躍します。
 シリーズ第21作『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017年)のメインキャラだった「西の高校生探偵」服部平次、ガールフレンドの遠山和葉、和葉の恋敵・大岡紅葉も物語に絡んできます。
 さらには、青山氏のもうひとつの代表作『YAIBA』(小学館)から、鬼丸と沖田総司もゲスト参加しています。アベンジャーズばりの「青山剛昌ユニバース」といった感があります。
大泉洋がシリーズの今後を左右する重要キャラに
 函館の斧江財閥が持つ土方歳三ゆかりの日本刀を、怪盗キッドが狙っていることを知り、江戸川コナンは私立探偵の毛利小五郎らと函館に向います。剣道大会に出場するために函館に来ていた服部平次らと共に、斧江家をめぐる事件にコナンたちは巻き込まれていきます。
 ゲスト声優として、北海道出身の大泉洋が北海道警の刑事・川添役で出演しています。単なるゲスト扱いではなく、今後のシリーズの行方を左右しかねない重要キャラとなっているので映画のエンディングにも注目です。主人公の工藤新一と怪盗キッドの素顔がよく似ている理由が、ついに明かされることになります。
 原作漫画の連載が1994年に始まって、すでに30年以上経っています。高校生探偵だった工藤新一は、小学生の江戸川コナンに幼児化したままで、黒ずくめの組織の真相にはなかなか迫ることができずにいます。
 今回、怪盗キッドと工藤新一との関係性がはっきりします。キッドと新一は今後は共闘して、黒ずくめの組織に立ち向かう展開になるのでしょうか。4月18日(金)公開の最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』では声優・草尾毅にバトンタッチした公安警察の安室透が登場します。黒ずくめの組織の謎に近づくのか気になるところです。
『ONE PIECE』はフィナーレへ向かい始めたが…
 なかなか終わりが見えない漫画&アニメシリーズとして1997年に連載が始まった『ONE PIECE』(集英社)も有名ですが、こちらは原作者の尾田栄一郎氏が2019年に「あと5年で終わる」と公表しています。すでにその「5年」は過ぎていますが、フィナーレに向かっているのは確かなようです。フジテレビ系のアニメ放送枠が、4月から日曜の午前9時30分から日曜の夜11時15分に移行したのも、その流れだと見られています。
 1998年に連載が始まった『HUNTER×HUNTER』(集英社)も「終わらない」ことで有名です。こちらは冨樫義博氏の原作漫画の休載が続いていることから、ファンの多くは諦めモードのようです。『名探偵コナン』に関しては、青山氏はすでに最終回のネームは用意していると言われています。『名探偵コナン』の完結に向けて、今夜放送の『100万ドルの五稜星』のように小出しにネタを明かしていくのではないでしょうか。
 しかし、毎年100億円を稼いでくれる人気シリーズとなった今では、配給の東宝も、TVアニメシリーズを放映している日本テレビも、制作局の読売テレビも、そして出版元の小学館も、簡単に手放すとは思えません。興収成績が上がり続ける限り、コナンも怪盗キッドも黒ずくめの組織の真相を簡単に解き明かすことはできなそうです。『北斗の拳』(集英社)や『ドラゴンボール』(集英社)のように、人気作ゆえにフィナーレのタイミングを誤ってしまった作品にならないといいのですが。
 ファンが『名探偵コナン』を熱心に応援し続ける限り、コナンは工藤新一に戻ることは叶わず、新一と毛利蘭が結ばれることもないわけです。それって、あまりにもせつな過ぎませんか。
(文=映画ゾンビ・バブ)
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