中学受験、努力家の娘が「6校連続」不合格――悔しくて悲しくてやりきれない母に伝えたいこと

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 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
目次
・中学受験が終わったとき、虚しさに苛まれた母
・中学受験、安全校でまさかの不合格
・「まったく考えていなかった学校」に入学した娘のその後
中学受験、安全校でまさかの不合格「もう、どこにも受かる気がしない」
 美玖さんの結果を詳しく振り返ってみよう。
・1月:A校(お試し校)〇
・2月1日午前:B校(第1志望校)×
・2月1日午後:C校(安全校)×
・2月2日午前:D校(適正偏差値校)×
・2月3日午前:E校(チャレンジ校)×
・2月3日午後:F校(安全校)×
・2月4日午前:D校(適正偏差値校)×
・2月5日午前:G校(安全校)〇
 実質的な第1志望校Bと、ややチャレンジ気味の第2志望校(隠れ第1志望だったという)のEは、美玖さんの希望で受験。本来ならば、第4志望校(安全校)のCで初日に合格を取り、安心して適性偏差値校である第3志望校のDを受験、その間にBの発表を見て、E校に挑戦するという作戦で、遅くとも3日午前で受験を終了させる予定だったそうだ。
「美玖が言うには、B校の空調の調子が悪かったのか、試験会場が暑すぎて、集中できなかったと。続くC校は『受かったと思う!』と余裕の表情だったんですが、当日発表でまさかの不合格。そこからですね、歯車が狂い出したのは……。美玖が呆然となって『もう、どこにも受かる気がしない』と言うものですから、慌てて、滑り止め校よりもさらに偏差値が低いF校を受験したのですが、ここも当日発表で不合格。私には、この時の記憶があまりありません」
 お試し受験を除くと2月4日の時点で6回受験し、全てが不合格。しかし、美玖さんは塾の勧めで、気力を振り絞って翌5日のG校の受験に向かったという。
「すっごく寒い日だったんですが、G校に着いたら、塾の先生が校門の前で待っていてくれたんです。それで、美玖の手を思い切り握りしめて、こうおっしゃいました。『美玖! 先生の力を全部やるから持ってけ! いいか? 絶対、負けんなよ!』って。美玖はその時、先生に『キモイからやめて(笑)!』と冗談を言いながら、笑顔で手を振って中に入っていったんですよ。もう、私はその後ろ姿を見ただけで号泣してしまって……」
 中学受験は“子離れ”の儀式だ。校舎に吸い込まれる我が子と、それを見送るしかない親。その親子の間には見えない大河が流れていて、これ以上は助けたくとも、傍にいたくとも、寄り添うことは叶わない――そんなことを親が実感する瞬間なのである。
「我が子ながら、『すごい!』って思いました。美玖は3年間、本当に毎日頑張って勉強していました。あんなに努力していたのに、どの学校も受け入れてくれない中、本当に歯を食いしばって、G校までたどり着いたんです。それだけでもすごいことなのに、ここで笑顔を見せてくれるなんて、なんて強い子なんだろう、この子は私の誇りだと思いました。もう、美玖は私がいなくても大丈夫、十分、美玖の人生を歩んでいける! って、感無量でした」
 結果は合格。理恵さんは正直、公立中学への入学も覚悟し、その判断を美玖さんに任せたという。
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