井ノ原快彦こそジャニーズの“顔”にふさわしい――トニセンコンサートに見た“やさしい世界”

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 昨年10月末に退社したタッキーこと滝沢秀明氏(現TOBE社長)の後を受け、ジャニーズアイランドの社長に就任したのが、イノッチこと井ノ原快彦だ。突然の大抜てきに、世間は大きな衝撃を受けたが、筆者はなるほど、確かにイノッチこそジャニーズの“顔”にふさわしいと感じた。
「ジャニーさんの面倒をみる」井ノ原快彦はかつての誓いを果たしている?
 イノッチがジャニーズアイランドの社長にふさわしい理由を述べる前に、なぜ彼がこの大役を引き受けたのかについて考えてみたい。
 イノッチといえば、ジャニー喜多川元社長との間に、いくつもの“鉄板ネタ”がある。入所間もない頃、アイドル雑誌のグラビア撮影に参加したイノッチ少年。満面の笑みを浮かべた写真が掲載されるが、これを見たジャニーさん、その仕上がりに納得がいかなかったのか、
「誰が出ていいって言ったの!?」
と大激怒。次にお声がかかるまで、それなりの期間を要したという。
 ほかにも、イノッチが連れていた犬を、「カワイイねえ(はぁと)」と褒めたものの、「こんな不細工な飼い主に飼われてかわいそうにねぇ」と、屈託なく言ったこともあったそうだ。
 ルッキズムに厳しい今の時代でなくても、かなり問題アリな見た目イジリだが、ジャニーさんだからこそなのか、なぜか“許され”、イノッチ鉄板の面白ネタになっている。
 そんなイノッチは、ジャニーさんに嫌われていたのかといえば、そんなことはない。Jr.時代から仲が良く、しょっちゅうつるんでいたTOKIO・松岡昌宏の運動会に、ジャニーさんと一緒に駆け付け応援するなど、仲良しエピソードは豊富にある。あの見た目イジリも、2人の仲がいいからこそ、笑いのネタになった面もあるのだろう。
 そんなイノッチは、松岡と「俺たちで将来ジャニーさんの面倒みような」と誓い合ったこともあったという。そう、イノッチは、ジャニーさんが亡くなってしまった後ではあるものの、このときの誓いを、ジャニーズアイランドの社長になることで、いま果たしているのではないだろうか。
 きっとサプライズ好きなジャニーさんも、「まさかユーが社長になるなんてねぇ、面白いよ、ソレ!」と喜んでいそうな気もする(だけどやっぱり「不細工な社長だねぇ」というのかもしれないが)。

 それにしてもイノッチは、ジャニーズタレントとしては稀有な存在だ。NHK朝の情報番組『あさイチ』の司会を長きにわたり務め、現在は『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)の二代目宣伝部長(MC)を担当するなど、すっかり大物タレントに。一方、俳優業も好調で、主演するテレビ朝日系の刑事ドラマ『特捜9』シリーズは、4月からシーズン6が放送予定だ。人当たりのいいニコニコした笑顔が印象的なイノッチは、ジャニーズファンの枠を超え、お茶の間に愛される存在として、広く親しまれてきた印象が強い。
 とにかくコンプラが重視され、何かあればすぐ炎上するデリケートな今の時代。ジャニーズを取り巻く環境にも逆風吹く中、このイノッチの好感度――もっと言うと“いいひと”そうな感じは、ジャニーズの“顔”として適切だったのかもしれない。
 真面目な万年好青年というイメージが強く、かつタレント時代から長年Jr.と仕事をしてきたタッキーが“顔”だったことも、適切だったはずである。しかし、彼自身が個人的に大事にするタレントを重用しているのではないかと、ファンを疑心暗鬼にさせ、「タキニ」という言葉まで生んでしまった一面はスルーできない。
 もちろんジャニーさんだって、同じようにオキニに甘いところがあったのは有名な話だし、タッキーはそういう意味ではジャニーイズムをきっちり継承していたのかもしれないが、当たり前ではあるものの、タッキーはジャニーさんではない。
 その審美眼まで受け継いだわけではないし、オキニ贔屓疑惑でファンを紛糾させたのも、ジャニーさんのような“許されキャラ”ではないからだ (絶対にそんなことするわけないけれど、タッキーがJr.に「ユー、不細工だね、HAHAHA」なんて言っても、それは面白エピソードに昇華されないだろう)。
 そういった意味でも、これまでの活動で、Jr.たちとの接点があまりなかったイノッチは、彼らをフラットな視点で見ることができると思うのだ (「Jr.たちのことを知らないのに社長が務まるの?」という声ももちろんあると思いますが……)。

 イノッチが社長に向いていると思う理由はほかにもある。
 彼は言うまでもなく、21年11月に解散したV6の元メンバー、そして年長組である「20th Century(トニセン)」のメンバーだ。トニセンは、これも本人たちがよくネタにしているが、当初は年少組の「Coming Century(カミセン)」との格差が激しく、あらゆる場面で格下扱いされていた。
 V6解散後、そんなトニセンだけがグループとして存続するという変則的な“その後”をたどることになった。このトニセンを“残した”というところも、注目したいポイントだ。というのも、解散後、メンバー全員がソロ活動に移行せず、兄組だけではあるものの、グループとしての形を残したのは、これはもう、ファンのためというほかない気がするのだ。
 トニセンという箱を残し、V6解散後も楽曲を発表し、コンサートも開催してくれる。さらには、今年5月の退所を発表した三宅健に明るくエールを送り、すでに退所した森田剛の誕生日にはお祝いのメッセージを発信してくれる――こうしたトニセンの行動には、ファンへの思いやりが感じられ、そのメンバーであるイノッチこそまさに、 “みなさまに愛される”ジャニーズの“顔”にもってこいだと思うのだ。
 ちなみに、トニセンファンもまた、ギスギス度が低いというか、平和な印象がある。先日のコンサートの際にも、銀テープを多く取ったファンが、取れなかったファンのために「ご自由にお持ちください」というような状態で、置いていくという光景が見られた。こうした“やさしい世界”を生み出せるのもまた、トニセン、そしてイノッチの魅力だろう。
 中居正広やTOKIOはもういない。ヒガシ(東山紀之)やKinKi Kidsは王子様感が強く、Jr.にとっては近寄りがたいところがあるかもしれない。 そんな中、落ち着いた大人の男性の雰囲気を持ちつつ、 いい意味での普通さ、ちょうどいい庶民さを持つイノッチは、やはりジャニーズアイランドの社長になるべくしてなったのではないか。
「そんなこと、僕は最初からわかってたんだよ。50歳近くになったら、ユーがもっと愛されるようになるって。不細工だったユーも、いい顔になるよって。そうだ、今ならアイドル誌に出ていいよ! ユー、撮られちゃいなよ! 」
 天国からジャニーさんの声が聞こえたような気がした。
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